洒落怖超まとめ

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悪夢

   

悪夢ってありますよね。
あれって、よくドラマなんかで、悪夢にうなされて
大げさに飛び起きるシーンがあるけど、
実際にそういう経験した人って少ないと思うんです。
でも、俺は実際に経験しました。

それは日中、普通に街なかを歩いてる夢で、
自分以外に人がまったく居なくて、不思議な感じでした。
すると、突然子供の、たぶん幼い少女のものだと思うんですけど、
笑い声が聞こえてきたんです。

その笑い声が聞こえてくるのが、ちょうど空の上というか、
自分の頭上から聞こえてくる感じだったんですね。
でも、夢という自覚は、その時は無かったものの、
やはり夢の中ではありえないことが起こっても、
さほど気にならないものです。

でも、しばらくしてそれは悪夢に変わりました。

始めは子供の特有の、可愛らしい、高い声で笑っていた少女の声が、
だんだんと低くなっていき、その声はまるで獣の唸り声のようになり、
頭上にあった声は、地鳴りのように全身に響き渡るようでした。

「ハハハハハハハハハハハ!」

本能に直接訴えかけるような恐怖、そう例えるしかない恐ろしさに襲われた俺は、
瞬間的に走り出し、その場から逃げ出そうとしました。
でも、恐怖のせいか、夢にはよくあることだけど、足がもつれて速く走れない。

その声は、逃げる俺をあざ笑うかのように付きまとい、
ずっと、ずっと笑ってました。
そして、全身を包むように聞こえていた声が、
片側の耳一点に集中して、こう叫んだんです。

「殺してやる!」

あまりの恐怖に俺は奇声を発し、
布団から飛び起きて夢から覚めました。
全身汗だくになっていて、まだ動悸が激しい状態でした。

しかし、そんな状態でありながら、
何故かまた眠りについてしまったんです・・・。

そして、同じ景色、同じ声がまた聞こえてきました。
ただ、さっきと違っていたのは、
その声は、笑っていなく、ただひたすら耳元で、

「殺してやる!殺してやる!お前を絶対殺してやる!」

そう叫んでいるだけでした。

夢の中で発する自分の奇声に、哀れみを感じるほどでした。

「きっと人は殺されそうになった時、こういう声で叫ぶんだろう」

恐怖に打ちのめされながら、何故か冷静にそう考えてる自分もいました。
そして恐怖が絶頂に達した時、また飛び起きる。
それを三度繰り返し、最後の時には、これは夢だという実感はあったのに、
その恐怖から逃れることはできませんでした。

これって、7年くらい前の話なんですけど、
今でも鮮明に覚えてて、こうやって書いてる時にも、
一人で鳥肌が止まりませんでしたw

実際、自分には霊感とかまったくないし、
霊とか見たことも無いけど、これは尋常じゃなかったです。
ただの悪夢にしては度を越えてましたw

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