洒落怖超まとめ

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添い寝

   

719 :1/3:2009/07/20(月) 07:35:49 ID:Bj8rKZCR0

おはようございます
朝から長文失礼します


学生時代の夏の事です。
私はその夜、蒸し暑さでなかなか寝付けずベットでゴロゴロしていました。
やっとウトウトとしてきたかと思えば、また目が覚める。
そんなことを繰り返してるうち、外の虫の音に混じって
「スースー」という寝息が聞こえる事に気づきました。
最初、隣の部屋の両親の寝息かなと思いましたが、
いくら隣とは言え寝息が聞こえる筈がありません。
それに私はベットで身体をくの字にし、横になって寝ていてたので、
両親の部屋は私の背中側になります。
しかし、その寝息は明らかに私の向いている方から聞こえてくるのです。
ベットは壁に寄せいたので向いている先は壁があるだけ。
意識を集中させたせいか、寝息は先程より大きく、
そしてはっきりとした音に変わり、
それは寝ている私の目の前から立てられているようでした。
私はゆっくりと目を開けました。

720 :2/3:2009/07/20(月) 07:37:36 ID:Bj8rKZCR0


「スー スー スー」

一瞬目の前の光景を理解することができませんでした。
男の人が私と同じように身体をくの字にし
背中を私の方に向け、大きな寝息を立てて寝ていたのです。
お父さん?誰?もしかして幽霊??
とうとう私も幽霊を目撃してしまった!?
そう思った途端恐ろしくなり、体がガクガクと震えました。
逃げたかったのですが、その男の人に気づかれるのが怖く
体を動かす事さえできませんでした。
私は自分で自分の肩を強く抱き、力一杯目を閉じて
目の前にいる男の人が消えるよう祈り続けました。

どれくらい時間が過ぎたか分かりません。
時々意識が散漫とする中、まだ寝息が聞こえるか耳を澄ますと
虫の音しか聞こえなくなっていました。
やっと居なくなった・・・ホっと安堵して目を開けると

「!!!」

私の僅か10センチ程目の前に男の人の顔がありました。
横を向いて寝ている私と向かい合う形で寝ていたのです。
暗く、そして近すぎる距離にどんな顔なのかさえ分かりません。
ただその目は白く大きく見開かれ、私の目をジっと見つめていました。
悲鳴を上げたと思うのですが、声になっていたかどうか。
私はあまりの恐怖に気を失ってしまいました。

721 :3/3:2009/07/20(月) 07:39:09 ID:Bj8rKZCR0


気がつくと翌朝。私は一目散に両親の元に駆け寄りました。
昨夜の出来事を聞かせても、どうせ夢でも見たのだろうと
案の定、信じてもらえませんでした。
私があまりにも強く訴えるので、父は根負けし私の部屋を見に行きました。
一通り部屋を見渡した後、網戸を開けて防犯用の格子に手をかけた時
格子はギという軽い音と共に大きく傾きました。
防犯用の格子は下側の留め金が外れており、
人が入れる程の隙間ができていたのです。

父は直ぐ警察に連絡しました。
駆けつけたお回りさんが周囲や指紋まで調べましたが、
侵入者の痕跡は見つからず、盗られた物も被害も無いようなので
とりあえず周辺のパトロールを強化するという事で帰っていきました。
その日からしばらくは両親の部屋で眠りました。
部屋にはエアコンを付けてもらい、
日中以外窓を開ける事はほとんどありませんでした。

あの男の人が誰だったのか、変質者なのか、幽霊だったのかは分かりません。
ただあの時、私が寝ている間に何かされていたかもしれないと考えると
今でも恐怖で体が震えます。

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