洒落怖超まとめ

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滑落

   

197本当にあった怖い名無し2020/08/24(月) 23:51:34.14ID:HsZxRUz80

10歳くらいの時、洞川経由で三重県の大台ケ原へハイキングに行ったことがある。
親子連れ対象のいわゆる「自然観察ツアー」というやつ。
大台ケ原山荘というところに泊まり、早朝4時頃出発。泊り客は少なくとも50名はいたと思う。
日の出前だから山荘玄関の明かりだけで、辺りは真っ暗。でも玄関照明は煌々と玄関前広場を
照らしていた。親子連ればかりだから、自分の家族だけで固まっていているのと、眠いのとで
グループ同士の会話なんてなかったと思う。
続く


198本当にあった怖い名無し2020/08/24(月) 23:57:58.43ID:HsZxRUz80

ハイキングなんだから、当たり前だが全員が登山用のウェアを着ている。
私(10歳)は、なぜだかわからないが、その時一人で(群衆の中に)いた。

瞬間、ふーっ、と時間が止まったような感覚に襲われた。
まるでスポットライトが当たったような空間があって。
そこに「フロックコート(後年、それがそうだと知ったわけだが)」を着て、
リボンのような結び方をしたネクタイを結んだ男が立ってこっちをじっと見ていた。
不思議と恐怖は感じなかった。顔もはっきり見えた。
続く


199本当にあった怖い名無し2020/08/25(火) 00:11:53.42ID:Df0HZ5Lu0

その人はいつの間にか、大勢の登山客の中へ消えていった。

やがてうっすらと朝日がさしてくる。出発だ。
切り立った崖に彫刻刀を一筋入れたみたいな登山道がずっと続く。子供にはちょっとハード
な行程だったと記憶している。
なぜだかわからないが、親は私のずっと先を歩いていた。
あー疲れたなあ。。。もう歩きたくない、と思った瞬間、私は断崖絶壁を5メートルくらい下まで落ちていた。
落ちたのだが・・・途中にあった草をつかんでいた。
その自然観察の会は参加人数が多かったこともあり、すぐ周りの人が見つけてくれて引き上げられた。

あの人が私を突き落としたのだろうか。
それとも私はその年、その日、本来死ぬ運命にあったのだが、死ぬ前にその人が現れて助けてくれたのだろうか。
今もわからない。
けれども、インターネットでその人の写真を昨年、たまたま見つけた。

終わり
転載元:http://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1597272376/

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