洒落怖超まとめ

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異変

   

426本当にあった怖い名無し sage 2010/12/01(水) 18:01:33 ID:AapN6Wp70

大して怖くない上にネチネチとした文章で長い
不快に思われたらごめんなさい


俺が所属している大学のオカルトサークルは、10人程度の集まりなんだが、そこに新しく4人の学生が入会してきた。
一年生が3人に三年生が1人の計4人。この一年生のうち1人を西崎(男)三年生を岡田(男)あとの二人をエキストラとする。
このサークル、不文律というか暗黙の了解というか、変な決まりがあって、それは団体行動はしないと言うもの。
心霊スポットなんかに行くときは少人数で凸、撮ってきたビデオを皆で観賞するするという形式がとられていた。
何故、いつからこうなってるのかは知らないがこのルールは新入生歓迎企画と称した心霊スポット凸にも反映され、
この4人にビデオ(貸出)を持って近場の心霊スポット凸が命じられた(某ダム)。

凸当日、スポットには上級生の俺と運転手役、そして新入生(3年もいるけど……)4人の6人で向かう。
スポットに着き上級生は車で待機。4人はさらにエキストラ2人、西崎と岡田の二組に分かれて
先の組が帰ってきてから残りの組が出発すると言う流れになっていた。
エキストラ組が出発し、車内の4人で談笑しながら(岡田に何で3年になって入ってきたの?とか何かオカルトなことやったことある?とか他にも色々)待っているとエキストラ組が帰ってきた。
思っていたより早かったので、内心(ビビったな……)と思いつつビデオを渡された二組目を見送ってまた車内で談笑し始めた。

西崎と岡田組はエキストラ組よりも随分と時間をかけてから帰ってきたので、4人が後ろで「どうだった?」「あそこ怖かったー」
なんて話してるのを聞きながら大学まで戻り、後日ビデオの上映会ということにして各自解散していった(一年生3人は飲みに行ったらしい。)

427本当にあった怖い名無し sage 2010/12/01(水) 18:02:53 ID:AapN6Wp70

後日、予定通り上映会ということでみんな部室に集まり部屋を暗くして上映開始。各々自由に席についているが、新入生組はやはりペアになった同士隣り合って座っている。

まずはエキストラ組。若干のノイズと息遣いが聞こえる他は静かなもので、怖さを紛らわすためか喋り続けている二人の言葉が良く響いている。
脅かそうとビデオ役のあげた大声にもう1人が肩を震わせたり、時折遠くから聞こえる物音にビデオの画面が揺れたりして、その度に2人は上級生にからかわれていた。
恥ずかしそうにしていた2人だが「まあ、まだマシな方だよ。俺の時なんか歩けなくなる奴もいたし」と言いながら俺を見る上級生のその言葉にホッとしたような仕草をする。
やがて俺たちが待っていた車が見えてきて「あー、終わった」という言葉を最後に画面が暗くなった。
2人にお疲れーなんて言葉を投げかけてるうちに二組目の肝試しが始まっていた。

ビデオを持っているのは岡田のようで、背の高い岡田がビデオを持っていると少し前を歩く西崎が少し小さく見える(元々西崎も背が高くはないんだが。)
思わず俺が「(西崎)ちっせwwww」と呟くと何故か岡田が殴られていた。
ビデオから息遣いが聞こえてくるのは同じだったが、ノイズが先の組よりも大きい気がした。
お前変なとこ触った?などと聞かれて「そんなはずないと思うけどなあ。これはひどい」と岡田は答えで申し訳なさそうにしていた。
やがてビデオの中の岡田が「怖い話をしてやろう」といい、西崎が笑いながら耳をふさいでわーわー言ってる辺りからノイズが激しくなり、2人の声が聞こえないほど大きくなっていた。
これは変だと言うことでとりあえず音量だけ下げて「お前なんか変なもんついてんじゃねーの?」「連れて来てんじゃねえだろうなw」とからかわれ
「いやいや俺0感だからw罰当たりなこともしたことないしちょ離れないで傍にいてw」と離れようとしていた西崎の腕をつかみながら弁解する岡田でひとしきり笑っていたら、いつの間にかノイズが聞こえなくなっていた。

428本当にあった怖い名無し sage 2010/12/01(水) 18:04:57 ID:AapN6Wp70


ビデオの方を見ると岡田の背中が映っており、ビデオの視線もいくらか低くなっていたので音量を元に戻し再び静かに観賞し始めた。
岡田が「ああ、これ、俺が腕疲れたからって代わってもらった辺りか。……背が低いと世界はこんな風に見えるのかあ」とぼやくと
今度は西崎だけでなく背が低めの上級生からも殴られて平謝りをしていた。
岡田がビデオを構えていたときは基本的に視点は前を向いており、たまに西崎が指差すほうを見てズームをし、また視点を戻すという感じだったが
西崎のビデオはひっきりなしに左右に首を振っているかのように中々落ち着かなかった。
「お前きょろきょろしすぎwww」と言われた西崎は照れたように頭をかきながら「いやあ……」とだけ言った。岡田はニヤニヤしている。
その後何事もなく2人は歩いていき、時間的にもそろそろ終わりかと思ったころ1人の上級生がポツリと
「……さっきから岡田、うつってなくね?」

その一言に、ぞくりとした。ぞわぞわと。ビデオはまだキョロキョロと視点をさまよわせている。右に左に、また、右に。岡田がいない。
室内に異様な雰囲気が漂った。誰もが息をのんでいるようだった。岡田のほうを見れない。
いや、何もおかしくはない。ビデオもさすがに真後ろまで向いていない。
西崎の後ろを歩いているとしたら。映っていなくても当然なのだ。岡田は最初ビデオを構えて西崎の後ろを歩いていた。
だから、そのままの隊形で進んでいれば映っていなくてもおかしくはないのだ。
しかし、ビデオの持ち手が変わったとき、岡田は確かに西崎の前を歩いていた。いつの間にまた後ろに回ったんだ。何故?

429切るとこミスって中途半端な長さになった sage 2010/12/01(水) 18:07:18 ID:AapN6Wp70

いやな汗が流れて服が体に張り付いてる気がした。ビデオの方はいつの間にか車が見えるところまで進んでおり
画面の端に車とその前に立って2人のほうを見て手を振っている俺が見える。
思い出せ。2人の立ち位置はどうだった?どっちが前だ?暗い道に大きい影と小さい影……前を歩いていたのは

大きい影だ。

反射的に、怖くて見れないと思っていた岡田のほうを、本当に反射的に見てしまった。その顔を。笑っている。
とっさに視線をそらすとその先に顔を強張らせた西崎がいた。いつの間にか岡田から距離をとっているが、岡田は気づいてないかどうでもいいのか
「すごいね、これ……。これ、もらっていいかな。」べつにいいよね、と言った。
だれも答えられずにいた。が、大して気にもせずに、みんな俺を怖がってるんだろうけど、もっと怖い話をしてやろう、と続けて
「ビデオに映っていた新一は別にキョロキョロしてなかったのに、新一がビデオを持ってからやたらとキョロキョロをし始めたのも不自然だけど」

それ以上に

「他の人のときは聞こえていたノイズも、息遣いも、全っ然聞こえてこなかったよね。お前ちゃんと生きてる?」

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