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精神病院にて

   

207精神病院について 1 sage 2008/08/13(水) 20:55:34 ID:rWJXm1190

何か前スレで外国の精神病院の話が出てて
やはり精神病院はそういうのが出るのかと確信したので
実体験を書きます

過去に俺は一度だけ精神病院に入院させられたことがあるんだ
別に気違った訳ではなく、学生の時に自動車とトラックの衝突玉突き事故の現場に居合わせて
もう車の窓からはみ出した血塗れの腕やら
フロントガラスに張り付いた茶色い何かと血とか
痛い痛い助けてと叫ぶ声、サイレンの音、燃え上がる車、集まる野次馬の声で
気がついたら家で寝てた
それからはフラッシュバックとか赤い色を見ると吐いたりとか
部屋から外にも出ないで、家の自分の部屋を暗くしてイヤホンで大音量の音楽を聞いて眠れないようにしたり
そんな生活が1週間くらい続いて、鬱病として郊外の大きな精神病院に入院する事になった
ただいきなり気違って暴れるとかではなかったし、気が晴れるだかで同じ年頃の奴と相部屋になった
ソイツはFって言って、時々友達が来たりメールが来たりするようだった
面会謝絶希望で友達からのメールにすらマトモに対応できないほど病んでいた俺としてはうざったかったが、それほどうるさくしてる訳ではなかったので我慢していた


208精神病院について 2 sage 2008/08/13(水) 21:15:45 ID:rWJXm1190

2週間くらい入院して、多少気が楽になってきた頃にFの友達のHが
「せっかくこんな病院にいるんだから、夜中院内の散策でもしろよw」とFに提案していた
ある程度Hとの面識もできていた俺は、Hから頼まれて院内マップを貸した
それで、Fが今夜隔離病棟を回って生中継メールをする、という話になっていた
俺は内心面白そうだな思ったが、隔離病棟巡りに行くほどの勇気は無く、散策が終わって帰ってきたEから結果を聞いて写メを見せてもらおうと思っていた
それで夜中、Fが出ていく時まで一緒に起きていた
Fは懐中電灯片手に「見つかったらトイレの場所が分からないとでも言うわ」と言って部屋を出ていった
どれくらい耐えたか分からなかったが、結局俺は睡魔に負けた
翌朝、Fのベッドが空だった、トイレにでも行ったのかと思っていたが、朝食が運ばれてきても帰ってこない
朝食を下げる看護婦を呼び止めて聞くと「容態が悪化したため病室を変えた、引っ越しするからうるさくなるかも」と言われた

211精神病院について 3 sage 2008/08/13(水) 21:35:06 ID:rWJXm1190

日曜日だったのもあって午前中にHが来た、Fが病室を変えた事を伝えると、部屋から出ていって少しすると戻ってきた
生中継が途中で途切れたこと、面会はさせて貰えなかったこと、携帯のデーターカードを貸してたことをでっちあげて携帯を借りてきた、と説明された
「ごたいめーん」と軽く言ってHがFの携帯をいじりはじめた
俺は「Fの親もきてるかもしれないのに携帯パクるなんて」とぶつぶつ言ってたが、とてもFの携帯の中身が気になっていた
ニヤニヤしてたHの顔が真っ青になった
いきなりガクガク震え初めてFの携帯を落とした
落ちた携帯を拾いあげのぞき込むと
多分作成中断をしたメールのフォルダ
宛先はH宛、添貼ファイルは写真
写真は病院の緑色の床と白い壁
そして気味の悪い茶色の、床につきそうなほど長い手を振り上げた大人くらいの大きさの何か、画質の悪い携帯の写真は確認できないが、口は無かったと思う
本文には「おまえのせいた」と書かれていた
Hが俺の手からその携帯をひったくった、暗唱番号を入力してそのメールを消す(俺のとは機種が違ったので分からないがFの携帯は操作ロック解除に暗唱番号がいるらしい)
そしたらHが狂ったように笑いだした

213精神病院について 4 ラスト sage 2008/08/13(水) 21:45:58 ID:rWJXm1190

空き部屋はあっただろうに『面識がある』という理由から空いたFのベッドにHが来た
昼間はそわそわしている他には特に変わり無いが
夜中になるとナースコールボタンを押しまくる
そして看護婦や医師が来ると「Fがぁ!あああああああ!」と叫ぶ
毎晩そんな調子で、ついにHは隔離病棟へ移動させられた
Hが移動して夜中、ぐっすり眠れるようになり
3日くらいたったある日、朝携帯の電源をいれると何十通とメールが入っていて、全部Hからだった
どうやら俺一人に送られた訳ではなく、見たことのないアドレスが数個あった
本文は『鳴らない、鳴らない』
から『鳴らして助けて』
という感じの内容
最後は『F!Fがああああああ!ならなああ』だった

それっきりHについては何も聞かないまま退院した
その日のうちにすぐにアドレスを変えたが
いまでも『隔離病棟』という響きに恐怖を覚える

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