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花火

   

448本当にあった怖い名無し2022/01/31(月) 20:36:26.43ID:Am3CdOaI0
俺が大学生の頃さ、彼女と一緒に夏祭りの花火を見に行く事になったんだよね。それでさ、やっぱり近くで見える所ってどうしても人が多くてさ、何処かいい場所ないかなあと思って、花火大会の会場の周りを車でぐるぐると廻っていたんだよね。
そしたら、ちょっとだけ遠いけど花火が良く見えそうな良い感じの場所を見つけた。でもそこ住宅街でさ、人の住んでいるところだったんだよ。でも背に腹は代えられない。申し訳ない気持ちもあったんだけど、路上に駐車して車の中から花火を見ることにしたんだよ。
苦労した分その花火凄い綺麗でさ、俺も彼女も段々良い雰囲気になって来たところで――車の横に人がいる事に気づいたんだよ。40代くらいの、男の人。でも、そいつ俺らに注意するでもなく車の横に立ってぼーっと花火を見てたから、ああ花火を見に来たのかと思ってたんだけど、時間が経つにつれてそこら中の家から人がぞろぞろ出てきて、皆で花火を見出した。
車が囲まれるような形になったからそこから出る事も出来なくて、俺たちも閉じ込められてその辺りの家の奴らとずっと花火を見てたんだよ。

でもおかしいんだ。
そいつら皆、花火が終わってもずーっと花火が上がっていた空を見つめてるんだよ。何をしてるのかわからないけど、皆ぼうっと何もない空を見上げてる。怖くて彼女ももう泣きだしちゃってさ、俺も彼女を抱きしめながらガタガタ震えてた。

それから30分くらい経ったころかな、皆一斉に帰っていくんだよ。来た時と同じく、皆でぞろぞろと家に帰っていく。やっと周りにいなくなったから、俺らも車出して急いで家に帰ることにしたの。
帰り際に彼女「ねえ、気付いた……?」って言うの、でさ「何が?」って聞いたらさ。彼女震えた声で言うんだよね

「出てくるときも帰った後も、あの人たちの家、何も明かりがついてなかったよ」

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