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谷川岳の谷底

   

谷川岳の谷底


この大型連休中に「谷川岳」というワードを目にしたので、今でも忘れられない体験を投稿させていただきます。

あれは私が小学生の頃、両親と墓参りの帰りに谷川岳に行った時のことです。
東京から車で群馬の(母方の)祖父に会いに行き、祖母の仏壇に線香をあげたあと、その祖母が眠る霊園に寄り東京に帰るのがいつのも流れでした。
(群馬には私の母の姉2人がおり、祖父はそこの家族と一緒に行くことが多いからか「この前行ったからいい」と同伴する事は少なかった)

祖父に見送られ車で30分ほどの距離にある霊園での墓参りを終えたあと、私たち家族3人は谷川岳に寄ったのです。
群馬に行く日はテーマパークやバラ園的な場所に寄ってから帰ることがあり、その日に谷川岳へ行ったのも「群馬の観光地だから」程度の理由でしょう。

祖父宅に泊りで行った日だったのか、早朝に東京を出発した日帰りの日だったのかは覚えていませんが、谷川岳に着いたのはまだ日が高い時間帯のことでした。
谷川岳といっても本格的な登山ではなく、家族連れが短パンと運動靴で気軽に寄れるようなエリアです。
ロープウェイにも乗っておりません、駐車場から歩いて登っていける程度の場所です。

私は観光客をかきわけ、半ば単独行動気味に上へ向かっていました。
たまに振り返っては、父が母の手を取り後ろから歩いてくる姿を確認しながら。

少しすると、これ以上は上に行けないという広めの場所に出ました。
他の場所に比べたら標高は低いのでしょうが、いわゆる頂上です。


145本当にあった怖い名無し2021/05/05(水) 15:22:46.97ID:hhv7/4tQ0


広さがあるとは言っても売店や展望台はなく、あとは引き返して帰るのみという場所。

昼間だったのに曇り空で薄暗く、それまでの道中より霧が濃かったです。
父が「山の天気は変わりやすい」なんて言っていたのを覚えています。

天気が良ければ眺めが良かったのでしょうが、霧のせいで景色は真っ白。
自分たちがいるその場所以外、他の山などは周囲に見えませんでした。

当時の私は、このような場所に来た経験がなかったため、目の前で霧が右から左に流れていく様を見て「雲に触れる~」と霧を手で掴もうと試みたものです。

登ったからには高さがあることは分かっています。
視界も悪く、流石にこの場所で調子に乗ってはマズいなと、はしゃがず大人しくしていました。

この場所ですることもない、あとは引き返して駐車場に戻るだけ。

そう思い歩いていると。
前方にあったはずの地面が、急に無くなったのです。

ここで一歩進んだら死ぬ、私はそんな崖に立っていました。

先ほどまで、自分の視界にはドッジボールが出来るほどの縦幅はあろう地面が広がっていたのに。
たまに霧が流れ視界が途切れるものの、地面および他の観光客の姿も見えていたのに、目の前が急に崖になったのです。

完全に奈落の底。
相当な高さの断崖絶壁が足元から下に伸びており、その先は雲だか霧だかで見えない。
それが絵本のようにクッションになるわけもなく、落ちたら絶対に助からない事は明白でした。

流石に小学生とはいえど、こんな危険な場所に立つ馬鹿はいないだろうという位置。


146本当にあった怖い名無し2021/05/05(水) 15:28:42.30ID:hhv7/4tQ0


先ほどまで自分の目の前に広がっていた場所は何だったのか?
頭が真っ白になり動けず、足元もとい奈落の底から目を離すことが出来なくなっていました。

その断崖絶壁からは真横に数本の木々が伸びていました。
時計の針でいう3時の方向に樹木が伸びているのです。

方向感覚が90度ずれ、視界がゆがむ感覚。
自分が今いる場所が正しい面なのか、足元に広がる面が正しい面なのか。そんな不思議な感覚です。

子どもの私は、山だから真横に木が生えているのかな、なんて思ったものです。

そして。
その木々や岩肌をつたい、こちらによじ登ってくる影がいくつか見えたのです。
眼下、遠くに見えるとはいえ人にしては少し小さい、猿のような黒い影が。

灰色の断崖絶壁。
そこから垂直に伸びる白い樹木、そしてそのはるか下に広がる雲(霧)。
その中をユラユラとよじ登ってくる黒い影、この世の景色ではありませんでした。


147本当にあった怖い名無し2021/05/05(水) 16:09:59.03ID:hhv7/4tQ0


ここにいたら、このままでは奴らの手が自分の足に届いてしまう。

ここから落ちたとして、数えるほどしか生えていない樹木に引っかかって助かる確率はゼロだろう。
真下に広がる崖底の雲の部分まで真っ逆さまだろうな。

そう考えるばかりで体が動かないのです。

そのあとの事はよく覚えていないのですが、ちゃんと両親と一緒に駐車場まで帰れました。
その場所の名が谷川岳だと知ったのは、私が成人してからのこと。
あの時のことが気になり、私が母に「小さい頃に群馬で行った霧が濃い山なんて言うの?」と聞いたからです。
そして昔の事件や、犠牲になられた方が世界で一番多い山だということを知りました。

あの場所で亡くなられた全ての方に、心からお悔やみ申しあげます。


谷川岳に限らず他にもエピソードがあるのですが、初投稿につき一度これにて失礼致します。

182本当にあった怖い名無し2021/05/07(金) 14:33:04.51ID:QGr7hyuy0

谷川岳での体験を投稿した者です。
反応ありがとうございました。
狐に化かされたのだとしたら「神社で悪さをした記憶ないのに…あと一歩で谷底なんて、酷いよ」と文句を言いたいものです。。

別件、馬に乗った武者の幽霊が大勢で家に押し寄せ、父が殺されかけた話がありまして。
こちら清書中につき完了次第、投稿させていただければと思います。

思えば当時住んでいたマンションでの事案は多く、よくない場所だったのかもしれません。

つぎはぎの犬が来て私をくわえて引きずったり。
クリスマスイブの夜に棒人間が玄関から入ってきたこともありました。(これはオチなしです。

玄関入って左手に寝室があり、私その部屋で両親に挟まれる形で一緒に寝ていたんですけど、イブの夜は眠る前に玄関から音がしまして。
黒い棒人間が目の前の廊下を、ゆっくりと奥のリビングの方へ歩いていくのを見たんです。
洗面所のカーテン?のれんがめくれたりもして。
「サンタさん来たよ!」なんて両親に言っても起きてくれず。
誰かに頼んだ仕込みのサンタ役か?それとも本当にサンタはいるのか?なんて思ったものです。

思えば玄関の外。マンションの廊下の天井には蛍光灯がいくつもあります。
誰かが鍵を開けて入ってこようものなら、扉を開けた角度の分だけ光が差し込んで室内が明るくなるはずなんですよね。
それが無かった(オチ無しで申し訳ないです

ではまた!

転載元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?362 (5ch.net)

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