洒落怖超まとめ

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釣り

   

134 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/27 08:02
   釣り1

私は3年前、妻と二人でキャンプに行きました。
キャンプ場から車で10分ほどの所に、釣りに適した海があります。
私と妻は、キャンプ場にテントを張り、早めの夕食を済ませました。
そして、すぐに釣りへ出かけたのです。
ところが、釣りを始めてから20分ほどすると、妻が「トイレに行きたいからキャンプ場に戻るけど、またここに来るね」と言い出しました。
「ああ、行っておいで」
「けど、しばらくしたら、車で迎えに来てくれ」
そう言って、私は妻を見送りました。
そして、私はしばらくの間、のんびり一人で釣りを楽しんでいたのです。
そのうちに日が暮れ始め、しだいに辺りが暗くなってきました。
妻がキャンプ場に戻ってから、随分と時間が経っています。
私は妻が、まだ自分を迎えに来てくれない事に、段々と苛立ってきていました。
だから私は、妻を待ちきれなくなり、「釣り道具を片付け、道路で女房妻を待とう」と決断したのです。
「暗い中、女房を釣場まで歩かせるのは、危険だよな・・・」。
私はそんな事を考えながら、リールを巻き上げ始めました。
すると突然、リールの巻き上げが重くなり、すぐに軽くなったのです。
どうやら、糸が切れてしまったようでした。
ところが、そのままリールを巻き上げ続けていると、再び巻き上げが重くなったのです。
でも今度は、前より巻き上げが重くありません。
「妙だな・・・」
私は不思議に思いながらも、リールを巻き上げ続けました。
すると、海面から人間の手のような物が、糸に付いて引き上げられてくるのです。
私は怖くなり、すぐにナイフで糸を切りました。
手のような物は、そのまま海の中に沈んでいきます。
「一体、あれは何だったんだ」
しばらく私は、呆然と海を眺めていましたが「とにかく、キャンプ場まで帰ろう」と思いました。
「道路を歩くと、女房も自分に気付くだろう」と、考えたからです。

135 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/27 08:04
   釣り2

するとその時、海水が突然、私に降りかかってきました。
それと同時に、足首を何者かが掴んでいる事に、私は気付いたのです。
私は驚き、その手を振り払って、道路まで走り続けました。
しかし得体の知れない何かが、私を追いかけくる気配がします。
しかも、どんどんと私に近付いてくるようでした。
私が必死に走り続け、道路まで辿り着いた時です。
すぐ近くに、自分の車がありました。
私は後ろを振り向きましたが誰も居ませんし、自分を追いかけてくる気配も感じません。
「もしかして、女房とすれ違ったのか?」
「でも、ここに来るまで女房を見かけなかったし・・・」
その時、私は自分のポケットに、車のキーが入っている事に気付いたのです。
「車のキーを、女房が借りに来るはずなのに・・・」。
私は妻が心配になり、妻を捜す事にしました。
そして釣場に向かって、私が歩き出した時です。
私は車の中で、誰かの気配を感じました。
奇妙に思い、私は車の中を覗き込みましたが、誰も居ません。
「気のせいか」
私はそう思い、車から立ち去ろうとしました。
すると車から「置いて行かないで」と、妻の声が聞こえたのです。
慌てて振り返って見ると、突然に車の窓ガラスをすり抜け、白い手が私の腕を掴みました。
私は恐ろしくなり、必死に逃げようとしましたが、物凄い力で腕を掴まれているため、いくらもがいても逃げられません。
そうしているうちに、再び妻の声が聞こえてきました。
「一緒に、帰りましょう」
私は思わず「嫌だぁー」と大声で叫びましたが、その後の事は覚えていません。
どうやら私は、そのまま気を失ってしまったようなのです。
次の日、妻は海で発見されました。
妻は足を滑らせて、海に転落したと見られています。

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