- 281 名前:「雨の音」+ 1/4 投稿日:03/04/28 23:59
- 国道沿いのファミレスに寄り、ようやく一息ついた。
「な?雨音なんか聞こえなかっただろ?あんなのデマだって。
あんなもん恐えってのは、雰囲気だけだっつの。禿藁もんだなこりゃ。」
俺は苦笑しながら言った。そう、俺達はオカ版住人の
友人同士(リアルでも)。オカ版の「ガイシュツの恐い話」スレで
「雨の音」として載っていた話のモデルになったトンネルを
ようやく突き止め、ちょうど今調査から戻ってきたところだ。
しかし、運転をしていたUと助手席に居たJはまだおびえた様子だ。
Uは運ばれてきたアイスティーには手もつけず、じっとテーブルの
一点を見つめている。Jときたら、血の気が引いた顔であたりを
キョロキョロせわしなく様子を伺っている。
- 282 名前:「雨の音」+ 2/4 投稿日:03/04/29 00:00
- 「おい?、もう大丈夫だろ?、何か見たのか?」
二人ともうつむいて何も言わない。
「どうなんだJ!!」俺は少し声を荒げてしまった。
はじかれた様にJはビクっと硬直し、一瞬俺を見てすぐ視線をそらした。
「オ・・、オレ・・ガ、クガガア・・・ア」どうにも言葉にならない。
「あ?まだ何か恐いのか?おい!言ってみろ!!」
ここでUがうつむいていた顔をあげ、俺を見てそっと言う。
「なあK(俺の名前)、Jはずいぶんおびえている様だぞ。
これはもしかすると俺らの気づかなかった本当に恐い体験をして、
それで今でも口を開けない状況なんじゃないか?」
- 283 名前:「雨の音」+ 3/4 投稿日:03/04/29 00:01
- 「そうなのか・・・」そこまで言われたら俺も強く言えない。
「分かったJ、オカ版には俺が報告レスつけておくから、お前は
早く帰って休みな」
「K,悪いな・・・。それじゃ俺Jを送って行くからさ、じゃ」
「分かった、また明日な」
「・・ああ、また明日な」
二人は出ていった。しかしJのあの様子は何なんだ?・・・。
- 285 名前:「雨の音」+ 4/4 投稿日:03/04/29 00:02
- 「俺!・・・、俺!!!!」ひきつった顔で助手席のJが叫ぶ。
「分かった、何も言うな」UがJをなだめながらハンドルを握る。
「明日は一緒に行こうな、あいつの焼香に」