ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 31-40 > Part 35 > 雨宮さん 2016/04/26 178 名前:雨 投稿日:03/04/27 21:59 どちらかというと、ほんのり怖い話かもだけど、洒落こわが好きなのでこっちへ。 自分、数年前までK察の人間でした、大学を出てすぐ東京都T島区の警察署に配属。 自分はT大出のいわゆるキャリア組で(自慢に聞こえたらスマソ)、いわゆる期待の星。 そういう背景もあって、お偉いさんたちには自然可愛がられる傾向に。 で、ある日署長サンに飲みに誘われた。自分はもう、着替えおわって帰り支度が済んでいたけど、 署長はまだ制服姿でしかももうひとメール打つから待てと言う。 暇を持て余してまた自席につき、ぼんやりと閑散とした室内を眺めていると、 目の前にぽん、とバインダーが投げ出された。 「キミも、いずれ知ることになるだろうから。暇潰しに呼んでて。」 そういうと署長はまた席に戻り、カタカタとキーボードを叩く。 厚さ2cmほどのプラスチックバインダの背表紙には「雨宮さん」と書いてある。 なんだろう。パラパラとページをめくる。 調書や、現場写真。いわゆる、捜査資料の類がファイリングされている。 そして、その内容を読んで愕然とした。 本当に、なんというか、このスレにあるようなオカルトチックな事件の集大成。 そして、そのほぼ全てが未解決。1ページめくる毎に、ぞくぞくと背中に悪寒が走る。 キツネ憑き(?)の窃盗事件容疑者の写真とか、顔つきが半端じゃない。 人間の顔じゃない。洒落になってない。怖い。 事情聴取の調書にも、素で「ケーン」とか「キキキ」とか書いてある。 いろいろ他にもあったけど、マジでこれ以上は勘弁。割愛します。 179 名前:雨 投稿日:03/04/27 21:59 1/3ほど読んだところで、署長にファイルを取り上げられる。 「はい、そこでストップ。続きは、キミが署長になったらね。」 そういうと、署長はそのファイルを自席の鍵付きの引き出しにしまった。 頭がボーっとして、脇にイヤな汗を書いていたのを覚えている。 池袋の小料理居酒屋で署長に話を聞く。簡単に言うと、以下のような感じ。 K察にも所轄毎に、いわゆる「成績表」がある。 検挙率、とかそういうふうに考えてもらえばいい。 で、K察とはご存知地域密着型のサービスゆえ、様々な側面で「地域格差」 が出るのは否めない。 例えば、所轄により、どう頑張っても「科学捜査では解明できない」事件が 多発するエリアがあるらしい。 そういったエリアでは、当然事件解明に至る確率は低下する。 そのような地域による評価の較差をうめるべく、70年代あたりから 特定の条件を満たす特殊な事件に関して、その評価の対象から 暗黙のうちに除外される、というルールができていたらしい。 それが、雨宮さんファイルに綴じられているような事件である、と。 180 名前:雨 投稿日:03/04/27 22:02 「で、雨宮さんて、誰なんですか?あのファイルの名前・・・」 自分がそう聞くと、署長は胸のボールペンを取り出し、 和紙の敷物に一文字、「霊」。 「な、上のとこ。雨、だろう。」ニヤニヤする署長さん。 また後日、俺はそのファイルの事が気になり、署長に再度見せてくれと 頼んだところ、「気にするんじゃない。忘れておきなさい。」と、 ピシャリと一喝されてそれ以来。 その後、その署長といろいろゴタゴタがあって、K察もやめてしまい、 今はお気楽サラリーマンやってます。 以上 183 名前:雨 投稿日:03/04/27 22:10 なんていうか、まんまXファイルでした。 同期の話では、B京区、A立区の所轄にも同様なファイr(ry 書いたあとで、ちょっとヤバいかなと思ってるんで、 とりあえず、フィクションですということでよろしくです・・・ B! LINEへ送る - Part 35, 洒落怖