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黒猫

   

612 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/10/11 14:19
友人と夜11時過ぎに神社に行った。
(肝試しのつもりはなく、 飲んだ帰りに急にお参りを思い立った)
お参りして戻ろうとしたとき、 黒猫が2匹、神社の脇から出てきた。
なぜだか立ち止まってしまった俺の周りを、 猫はぐるぐる歩き始めた。
俺を中心に半径2m位で、半時計回り。
1~2分続いただろうか、猫は動きを止めた。 狛犬のように俺の前にたたずんだ。
二匹は、俺をじっと見ていた。 俺は突っ立ったままだった。
恐怖心はなかったが、「何か起こしてはいけない者を起こした」 ような気がした。
(後で聞くと友人は、俺と猫の様子を脇から見ていて悪寒がして動けなかったそうだ)
俺はその場に立て膝をついた姿勢で座った。
手のひらを地面に付け、 「騒がしてスイマセン。静かに帰ります」と一心に念じた。
すると、俺の左斜め前にいた猫が近づいてきた。
そして、俺の左手の指先を噛んだ。 痛かったが血は出なかった。
俺は、猫のするがママに任せた。
猫は元の位置に戻り、また俺を見つめた。
何だか試験に受かったような気がした。
このまま帰れそうだと思ったとき、 もう一匹、猫が神社の方からゆっくりと歩いてきた。
白い猫だった。
黒猫より一回り大きくて、尾をまっすぐ上に突き立てていた。
「あれがここまで来たら、帰れなくなる」
そう感じた俺は、友人に声をかけ 二人で後ずさりして鳥居を抜けた。
黒猫は、ずっと俺たちを見つめていた。
階段を下り、鳥居をくぐりぬけ、振り返らずにそのまま帰った。
何だったんだろう、アレは。

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