ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 21-30 > Part 23 > もういいかい? 2016/04/14 852 名前:1/4 投稿日:03/01/10 00:05 小学六年生の頃の話だ。 親戚夫婦が遠方で急用ができたとかで、子供を預けに来た。 ちょうど土曜日で、両親も夕方まで出掛ける予定があり、 僕がいとこ達のお守り&留守番をすることになった。 いとこは七歳男の子と妹五歳。しきりに遊ぼうとねだってくる。 仕方ないので妹の要望を聞いて、かくれんぼをすることにした。 いとこ達は隠れる側で、僕が五十数えて探すことになった。 男の子は押入れに隠れていたのをすぐに見つけ出したのだが、 妹の方はどこに隠れているのか、なかなか見つからない。 そんで、僕は「もういいかーい」と声をかけながら探すことにした。 やっぱり子供だ。「もういーよ」と返事してくる。 どうもベットの下に身を潜めているらしい。 僕は音を立てずにそこを覗き込むのだが、姿はない。 853 名前:2/4 投稿日:03/01/10 00:06 また声をかけると、笑いを押し殺した声で返してくる。 やっぱり押入れか? しかしそこにもいない。 いとこも一緒に探したのだが、見つけ出せずにいた。 僕は少し不安になって「降参。もう出ておいでよ」と声を上げた。 妹は風呂場のドアを開けて、にこにこしながら現れた。 (さっき探したけどな) どこに隠れてたのか聞くが、秘密だと言って教えてくれない。 その後はゲームをして過ごしたが、やっぱりずっと頭にひっかかってた。 夜になっていとこの父親が迎えに来て、二人は帰っていった。 僕も寝る時間になり布団に入った。 854 名前:3/4 投稿日:03/01/10 00:07 どうしても昼間のカクレンボのことを考えてしまう。 そのうちうとうとし始めた頃、暗くした部屋の中から声がした。 「 も う い い か - い 」 はっ?驚いて目を覚ますと再び声が。 「 も う い い か - い 」 微かに、それでも確実に、その声は聞こえた。 僕は思わず布団の中にもぐりこんだ。 それはあの五歳になる女の子の声じゃない。 もっと年配の、おそらく大人の女性の声だ。 「 も う い い か - い 」 だんだん近づいてきている。 体は震え、完全にパニック状態だった。 855 名前:4/4 投稿日:03/01/10 00:08 それでも、返事は二つしかないことは分かっている。 絶対に「もういーよ」、とは言えない。 「まーだだよー」僕は蚊の鳴くような声で呟いた。 「 も い い か - い 」 おそらく声の主は布団のすぐ近くまで来ていた。 (ああ、もう見つかる)そう感じた瞬間だった。 僕が頭から被っていた布団が、勢い良く捲り上げられた。 目を見開いて悲鳴を上げると、そこには誰もいなかった。 騒ぎを聞いて父親が部屋に駆けつけてきた。 「どうした!何があった?」 僕は震えながら言った。 「布団がふっとんだ」 B! LINEへ送る - Part 23, 洒落怖