遅くなってスミマセン。で、続きです。
訓練を深夜に終了した、私達は午前9時頃まで車中で仮眠をとった後、
約1時間の移動を経て、駐屯地に来隊しました。
早速、後片付けなどを行い、連日の訓練で怪我などをした者達の休養の
時間となりました。私のバディーは足のマメが破れてひどい状態になっていたので
食堂に行くついでに、医務室に向かいました。
大きなグラウンドを横切り、隊内道路の交差点にさしかかった時、それは、おこりました。
交差点に設置してある「一旦停止」の標識が風も無いのに大きくゆれているのです。
その振幅幅は、最大で30センチほどで、まるで、何者かが根元を掴んで揺すりつづけて
いるかのようでした。その異様な光景にあっけにとられながら、「おい、標識が激しく
揺れているぞ、何だろう?」とバディーに言いましたが、彼は痛みゆえそれどころでは
ないらしく、まったく気にも留めません。
そのまま、いぶかしながらも横目で見ながら通り過ぎました。
すると、今度はなんと、さっきまで標識だったところが薄い青色のジャージを
はいた、恐らく隊員らしい人物に変わりました。よく見ると、頭からおびただしい量の
鮮血を垂れ流したまま、こちらをジッと見つめるのです。いや、睨みつける、と言った
ほうが正しいかも知れません。とにかく、その、あまりの形相に私はその場に立ちすくんで
しまいました。その時間は永遠に続くかと思われるほど、大変な恐怖でした。
つづきます。