2階の人
151 名前:1/5 投稿日:03/08/01 09:57
つい最近この板に来て、このスレを見つけて、
個人的にすごい怖い思い出があるんで書かせてもらおうと思いました。
上手く書けるかわかりませんが自分としてはすっげ怖かったです
去年、私が大学4年生の頃のこと。
当時、都内の某私立大学に通っていた私は、学校からバスで
20分ほどのところにあるアパートを借りて住んでいた。
都心とは離れていたけど交通の便は良いし、
駅前はそれなりに栄えていて、少し離れると穏やかな住宅街、
といった、まぁ23区外にはよくある「普通の」町だった。
私にとっては暮らしやすいところだった。
私が住んでいたアパートは2階建て、こぢんまりとした可愛らしい外観で
部屋数は10部屋だったと思う。
家賃6万2000円の1Kタイプ。それと、女性限定のアパートだった
(親が一人暮らしを心配して探したのです)。
可愛らしいといってもお姫様が住んでるような程ではなくて
壁や手すりが白くて、出窓がついてる、そんな感じ(伝わるかな?;)
(絵が浮かびやすいように似た感じのアパートの写真を探しました。↓)
http://www.apamanshop.com/img-b/imageweb/5130260800/1069_1.JPG
見てわかるように、どこにでもあるようなアパート。
(このアパートはよく似ているけど、私が住んでいたところは
アパートの前、写真でいう木があるあたりがもうちょっと開けていた)
私は101号室、つまり1階の一番左の部屋だった。
152 名前:2/5 投稿日:03/08/01 09:58
その怖い体験をしたのは蒸し暑い6月後半のことだった。
その頃は学校へ週2日のペースで行き、あとは就職活動とバイト・・・
という大学4年生らしい生活をしていた。
ある日学校から帰ってきて(たしか16時頃)、自宅のアパートまで
間近というところで2階の渡り廊下に人がいるのが見えた。
私の部屋の真上、110室のドアの前で手すりに肘を置いて
何か考えごとをしているような、何も考えていないような表情で
ぼんやり何かを眺めているようだった。
私は「ああ、上の部屋の人か」と思った。
他の人の部屋の前で立っている人もいないだろう、と思ったから。
ちなみにアパートの前は他のアパートの駐車場で開けていて、
その先は道路をはさんで自動販売機が並んでいた。
さらに先は同じようなアパートがあった。
その女の人の容姿は、近づくにつれてわかったんだけど、
肩より少し長い黒髪で、白(クリーム色?)のワンピースを着ていた。
派手な感じでも流行を追う感じでもなくて、
大人しそうではあったけど暗そうな人でもなかった。
年齢まではわからないけど、20代かな?
目が合えば軽く会釈ぐらいはしようと思っていた。
しかしその女の人は私が近づいても全く気にしない様子で
どこを見つめるわけでもなく空を眺めていた。
そう、空(くう)を眺めている、という表現が合っているような気がする。
153 名前:3/5 投稿日:03/08/01 09:58
そういう日が3日続いた(たまたま同じような時間に帰る日が続いてた)。
何もせずに空(くう)を見つめているだけなんて、たしかに不思議には思ったけど、これといって不審な雰囲気もない。
前のアパートは肉眼で覗くのには遠すぎた。
表情や目つきがおかしいわけでもなかったし・・・。
たまたま、自分が帰ってくるころにそうしているだけで
何時間もそうしているわけじゃないだろうと思っていた。
(現にそれまで見たことがなかったし)
相変わらず、私が帰ってきても全く目を向けなかったけど。
次の日、つまり4日目はどこに出かけていたのかは忘れちゃったけど
帰宅したのが夜の10時ぐらいだった。
家に近づいてもあの女性のことなど忘れていて、
「こんな時間だからまさかいないだろう」とも思っていなかった。
でも、いた。
住宅街だったから灯りもあんまりなかったけど、
人影というのはわかる。
しかも今までとは違う、不吉な、不穏な・・・そういう雰囲気を肌で感じた。
近づいても暗くて視線はわからなかったけど、
絶対に私を見ていた。
しかも最悪なことに、すごい形相で、というのが何故かわかってしまった。
154 名前:4/5 投稿日:03/08/01 09:59
アパートの門を開け、自分の部屋に入るには
どうしても女性と接近することになってしまい嫌だったけど
部屋に入らないわけにはいかなかったから急いで移動した。
女性の首が動いて私を目で追っているのがわかった。
私はカバンから鍵を探しながら急いでドアに向かった。
女性が私の視界から消え、私が部屋のドアの前に立ったとき
――――つまり私が女性の真下に立ったとき
「ガンガンガンガン!!!」
頭上でいきなり大きな音がして、反射的に身をすくめた。
本当にびっくりして心臓が「ドキィッ」となったのがわかった。
明らかにあの女性が渡り廊下の床を思いっきり踏みつけている。
「ガンガンガンガンガンガンガン!!!」
女性は怒涛の勢いで踏みつけ続けている。
心臓に響く、嫌な音。
私の鼓動もどんどん速まり、慌てて鍵を差し込んで
部屋に滑り込んだ。すると音がピタっとやんだ。
155 名前:5/5 投稿日:03/08/01 10:02
あの大人しそうな女の人がどんな形相をして、
こんなに強く床を踏みつけているのだろうと思うと怖かったけど
それより何でこんなことをされているのか、本当にわからなかった。
そのときはすぐに布団に潜り込んで、
なんとか落ち着こう落ち着こうと必死だった。
そのあと女性がどうしたのかわからないが、
次の日でかけるときには渡り廊下にいなかった
(それを確認するのにすごい勇気がいった・・・)
それから数日は彼氏の家に泊めてもらい、親にも事情を話して
引越しさせてもらえることになった。
大家さんに上の人について聞こうかと思ったけど
嫌な予感がして、というか一刻も早くそこを離れたくて
聞かなかった。