ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 41-50 > Part 50 > バイク乗りの話 2016/05/10 147 名前:転載1 投稿日:03/08/25 20:28 バイク乗りの友人の話 その友人を仮にA(男)としよう。 Aはどっちかというとリーダー的存在だった。みんなを引っ張っていくというより 飄々とした感じの性格で、自然とまわりに人が集まるような感じの奴だった。 そんなAのバイク仲間の一人に、Bという男がいた。 Bはちょっとマイペースな性格で、ツーリングでも時々自分勝手な走りをして Aやみんなを困らせるような人だったらしい。 しかしどっちかというと気の弱い方で、根は悪い奴ではないので、 仲間としてそれなりに付き合っていたという。 A曰く、 「クラスに一人くらいはいるじゃん、悪気はないけど自分で気付いてないっていうか、 天然っていうか・・・それほど仲いいってわけでもないけど悪いってわけでもない、そんな友人の一人」 だそうだ。 148 名前:転載1 投稿日:03/08/25 20:28 ある日、いつものように仲間とツーリングして、その帰りのこと。すっかり日は暮れていた。 途中で自由解散となって、Aは帰りの方向が同じBと一緒に走っていた。 しばらくすると、前を走ってたBがいきなりウインカーをだして、 一軒のファミレスに入っていった。 Aは(・・・またか、しかたねーなー)と思いつつ、Bについていった。 Bは、トイレから出てくると、 「ごめん、なんか喉乾かねえ?」と笑いながら席に座った。 Aは(お前トイレいってんじゃん)と苦笑しつつ、店員を呼んだ。 えらく無表情な店員がやってきて、「いらっしゃいませ」と、 テーブルの上の、オススメが描いてある紙の立て札を見せつける。 それにはパッションフルーツドリンクが描いてあった。 Aはめんどくさかったので、「ああ、じゃあこれ一つ」と言うと、 Bも「あ、じゃあおれもそれ」と続ける。 「パッションフルーツドリンクお二つですね」と店員は冷ややかに答える。 149 名前:転載3(上は2ね) 投稿日:03/08/25 20:29 Aは、なぜかやけに眠気を覚えていた。 Bは、そんなAにお構いなしに、たわいもないことを話しかけていた。 いつもはそれほどおしゃべりな方ではないそのBの態度が少し怪訝に思えてきた。 いつの間にか、目の前には、真っ赤なパッションフルーツドリンクが来ていた。 少しうとうとしながら、Bの話に適当に相槌をうってると、 「おいA!ちゃんと聞いてるのか?」 Bの思いがけない口調にAは驚いた。 「き、聞いてるよ」 いつもの気の弱そうな彼とはうって変わった厳しい口調で続ける。 「Aはいつもそうだ。おれのいうこと全然聞いちゃいない。おれのことなめてるだろ?」 「そ、そんなことねえよ・・・」なぜか眠気はやまない。 「嘘付け!お前らいつもおれの陰口を言ってるんだろう?!」 Bはどんっ!とテーブルを叩いた。 その反動でドリンクがぶちまけてしまう。 ジュースが服にかかって真っ赤に染まる。が、冷たくない。むしろぬるいくらい。 Aはジュースを拭こうとするも、あまりにもの眠気で体が思うように動かない。 見ると、Bの服も真っ赤に染まってしまっている。 Aは、必死に眠気に抗いながら答える。 「陰口なんか言ってねえよ!仲間じゃねえか!」 事実、Aは性格上そういう陰口とか大嫌いだった。 「ほんとか?仲間なんだな?」 「あたり前だ!今日も一緒に走っただろ?」 「じゃあ、帰りも一緒に走ってくれるんだな?」 その時Aはなぜか、(やばい!)と思った。 次の瞬間、Aの携帯が鳴った。 さっき別れた別の仲間からだった。 眠気の中、必死に携帯に出ようとする。 「・・・走ってくれるんだろ?」 Bは、目をかっと見開き、、すさまじい形相でAを見据えながら聞く。 「お前もこいつ(携帯の相手)も仲間だ!」 Aは思わず叫ぶ。やっとの思いで携帯の通話ボタンを押す。 携帯からは、何故か、両親が自分の名前を呼んでいる声が聞こえた・・・ 150 名前:転載4 投稿日:03/08/25 20:29 ・・・Aは、病室で目覚めた。 ツーリングの帰り、AとBのバイクが接触し、転倒したらしい。 下りの坂道で、二人からまって道路から落ちるような形だったそうだ。 二人とも生死の境をさまよう程の大怪我を負い、 Aは奇跡的に生還し、Bは、Aが目覚める前に息をひきとったという・・・ 終わり B! LINEへ送る - Part 50, 洒落怖 車・バイク