89km/h
207 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/07/01 00:19 ID:MQzC/gd7
リアル怖い話2(体験談
先頭グループが近づいてきた
オレはこれ以上はないというぐらいアクセルを開けた
とっくに限界まで開け切っていたのだが・・・
俺はビリビリと振るえるバイクにしがみつきながら
先頭グループのテールをとらえた
深夜の峠を駆け抜けてゆく幾つもの鋼の馬
オレの眼は先頭グループのバイクのブレーキランプを見つめていた
その赤いライトがひときわ明るく点灯したとき
我に返った
ブレーキランプが目に焼き付いて暗闇の先がよく見えないが
闇の中に浮かぶものがあった
目の前には急カーブを示す黄色の反射板の群れ
先頭グループはじゅうぶんな減速をして曲がりくねった闇の中に吸い込まれて行く
オレは・・・・
次にくるであろう衝撃と、それを少しは和らげてくれるであろうフルブレーキをかけた
最期にみた風景は、無情にも「89km/h」を指していた