洒落怖超まとめ

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影と歩く

   

265 本当にあった怖い名無し sage 2007/02/20(火) 03:10:19 ID:KRMZA9rZ0

ちょっとした恐怖体験。
二年ほど前に、ある事情からY県の小郡という場所に一週間ほど滞在した。
松本清張が『うら寂しい』と描写したこの街は、今でも新幹線が停まる駅近辺から少しでも離れると、
明かりがなくなってしまう街だった。
ビジネスホテルに泊まっていた俺は、毎晩近くの居酒屋やコンビニで、飯を調達していた。
でも、しばらくたつと、未知の飯屋を求めて夜に街を歩き回るようになっていた。
そして、駅から歩いて15分くらいの場所を歩いていた。広い車線だが明かりが無く、
とても暗い道だった。車も通らず(昼の交通量は多い)遠巻きに、街の明かりが見える場所だった。
飯屋も無く、ホテル近辺に戻ろうと歩いていると、どうも人の気配がする。なんというか沢山いる気配。
『気のせいだろ』と自分に言い聞かせ、スタスタと歩いていたら、後ろから走ってきた一体の車が道をライトで照らした。その時、ふと足元を見ると自分の足の影が大量に映っていた。
珍しいことではない、明かりがいくつかあると、影が沢山見える現象だ。

266 265 sage 2007/02/20(火) 03:11:16 ID:KRMZA9rZ0

続き

それから、何体かの車が通った後に、ふと奇妙なことに気付いた。俺が歩いてなくても影が歩いているんだ。
そこで、ハッと異常に気付いたよ。怖くて立ち止まり、次の車が来る前に、200mほど先にある、街灯に走った。
そこで見たのは、大量の足、足、足。俺の脚は動いてない、でも周囲の足の影だけが忙しく歩き周ってる。
よく見ると、モンペみたいなもっさりした足や、子供の細い足、杖が先頭を行く足、色々な足が歩いていた。
怖くなった俺は、タバコを吸いながら強がり姿勢のまま動けなくなった。確実に死人の存在を感じた。
彼らの足は俺の存在を意識していない。単純に歩いているだけに見えた。昔の活気をそのままにしているような
足の数の多さが、とても怖かった。俺はタクシーを拾って大急ぎで逃げた。
あれ以来、小郡には何度も行ったが、日が落ちてからは絶対に暗い道を徒歩で歩かないようになった。
ちなみに場所は、駅から東の山口県庁に続く、大きな道。長文ス○ンコ。

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