ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 21-30 > Part 30 > ブランコ 2016/04/21 174 名前:93 投稿日:03/03/09 18:34 俺が一人暮らしを始めて間もない頃、 俺の住んでるアパートの前には結構な大きさの公園があった。 昼間には子供達が元気よく遊びまわり、 主婦達の井戸端会議の場にもなっていた。 その日、俺は翌日が仕事が休みということもあり、 久しぶりにDVD三昧の夜を過ごそうと、 徒歩3分位の場所にあるビデオ屋へDVDを借りに出かけた。 そのビデオ屋はAM3:00まで営業しているビデオ屋で 俺が借りに出かけたのはもう24:00過ぎだった。 ところが週末ということもあり、面白そうなタイトルは全然空いてない。 175 名前:93 投稿日:03/03/09 18:34 仕方なしに適当なタイトルを手にして俺は店を後にした。 タバコを咥えながらアパートのすぐ傍まで来たときに、 タバコの買い置きがないことを思い出し、 近くのコンビニまで行く事にした。 目当てのコンビニはアパート前の公園を横切っていけば、 スグに見えるほどの距離なので、 俺は借りてきたDVDを片手に公園へと足を踏み入れた。 街灯が4つ程しか点灯していない、 夜の公園は思いのほか不気味な雰囲気を醸し出してはいたものの、 俺はさして気にすることもなく歩いていた。 そのときだ・・・ 176 名前:93 投稿日:03/03/09 18:35 公園の隅のほうにあるブランコ(1人乗りのヤツではなく4人位乗れるBOX型のヤツ) から子供の話し声が聞こえた気がした。 「へ?!いくらなんでもこんな時間だぜ?」と思いながら、 暗闇の中のブランコに目を凝らすも、人影はない・・・ なんとなく気持ち悪いなとは思ったものの、 この時間に公園で子供の声を聞いてしまったら、放っておけるほど無関心人間でもないので、 ブランコへと近づいて行った。 行かなければよかった・・・ 向かい合わせで座るブランコの右側の座席には、 花束の山・・・ そして子供の描いた絵やメッセージ・・・ 177 名前:93 投稿日:03/03/09 18:35 ヤバイ!!と思った俺の目の前でブランコが 「キィ・・・キィ・・・」動き出しやがった。 逃げようと思いつつも、足が動かない・・・ ブランコの耳障りな金属音とともに聞こえる子供の声・・・ 小さく呟くような声で何を言っているのかは全く聞き取れない。 必死の思いで足を動かし、 俺はブランコを見つめたまま後ずさりを始めた。 そんな俺を嘲笑うかのようにブランコは揺れ続ける・・・ 178 名前:93 投稿日:03/03/09 18:36 なんとかアパートに辿り着き、 震える手で部屋の鍵をあけた俺の目に飛び込んできたのは・・・ 壁中についた泥だらけの小さな手形・・・ 床中に残された数百にも及ぶ小さな靴の跡・・・ その日からしばらく実家に帰り、そのまま2週間後にアパートを引き払いました。 B! LINEへ送る - Part 30, 洒落怖