洒落怖超まとめ

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偶然なのか

   

まず最初に、この体験談は読んでいるとさほど怖くは無いと思います。
しかし、これを実際に体験した当時は死ぬほど怖かったので書き込ませていただきます。

それはまだ私が小学生の時の話です。
当時私の通っていた学校では、2年生と4年生の夏に、学校から歩いて二時間程度の県の宿泊施設に皆で泊まる、宿泊学習というものがありました。
4年生だった私は、2年生だったころの宿泊学習の楽しい思い出をクラスメイトと話しながら楽しい時間をすごしていました。
そして、夏に友達が集まっていてしかも夜になればすることは大体決まっています。
そう、お決まりの怖い話です。
当時から声が低めだった私は、怖い話の話し手として人気がありました。
その日も、部屋を暗くして、押入れの襖をほんのちょっと開けておくなどの小細工もして怖い話は盛り上がってました。
そして、その日最後の話を私が始めたときからそれは起こりました。

そのとき私が話そうとしていた怪談は、修学旅行中に怪談話をしていると、その話と同じことが話と同じタイミングで起こるという話でした。
そう、それはあくまでも私が創作したお話の中での出来事のはずだったのです。

しかし、私が話を始め
「そのとき、突然雨が降ってきて」
と言えば、本当に雨が降ってきました。

「突然電気が消えて」
と言えば、宿泊施設のブレイカーが落ちました。

「背後の襖がスーっと開き」
と言えば、背後の襖を開き友人が訪ねてきて

「窓から人間のものとは思えない手が」
と言えば、友人がいたずら目的で持ってきた玩具の手が窓の外から現れました。

全てが偶然といってしまえばそれまでの事です。
雨だって夏に良くある夕立です。
ブレイカーだって夕立で雷が鳴っていたのでそれが原因でしょう。
訪ねてきた友人も、怖い話をしていると聞きつけやってきただけです。
窓の手だって怖い話をしてると聞いて、驚かせるつもりだったそうです。
どれも、それ一つ一つは問題の無い出来事です。
しかし、私にはこれ以上話を続ける事は出来ませんでした。
あまりにもタイミングが良すぎたのです。
なにより、この話の最後は、話し手の背後に現れた幽霊に話し手が殺されるといった物だったからです。
もし、あの時私が話をやめずに最後まで続けていたらどうなっていたのか……
それを考えると今でも当時の恐怖が蘇ってきます。

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