ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 51-60 > Part 54 > 浴衣の女 2016/05/14 183 名前:体験談 投稿日:03/09/17 11:36 人に話すとその人が不幸になるかもしれないと思って 今まで親友にさえ話した事が無い話を書きます。 数十年前の夏、当時学生だった私はH県の実家に帰っていた、 私の家はかなり田舎にありまして。夜なんかは懐中電灯なしでは歩けないくらい暗かった。 私が帰郷して3日目ぐらいに友人と会うために近くの田舎町の飲み屋に行った、 久しぶりに会う友人に私は嬉しくおもい普段あまりのまない酒をかなり飲んだらしく、 何時その店を出たのか、店での記憶はほとんどないが 気がつけば店を後に家に帰る道をたどっていた その帰り道での事だ家まで後わずかというところの道端に浴衣を着た女性が立っている。 夜おそくにも関わらず表情がとても鮮明に見えていて、その顔は憂鬱だったという。 不気味に思ったわけでもないが、こんな夜遅くに若い女性がと思うと、どうやら酔いがさめ 184 名前:体験談 投稿日:03/09/17 11:37 その女性が自殺でもしそうな面持ちだったもので、つい 「大丈夫ですか?悩み事でもあるのですか?相談にのりますよ。」 と声をかけたが、女性は黙ったままで。 (そっとしておこう、ナンパに間違えられたかもしれない。)と思い、家路についた。 布団に入りずっとその女性の事が頭から離れず気になって気になって仕方がなく しばらくは寝付けなかった。 それから何時間たったのだろうか、寝ていた事に気づいたと同時に尿意がした。 相当飲んでいたのだろう、よくよく考えると一人で帰って来た自信がなくなった 今の今まで眠っていたとしたら 家に帰ってきたのも本当は友人が送ってくれたのかもしれないし 帰り道の女性も夢のなかの話だったのかもしれない、 いろいろ考えながら私は母屋の玄関から懐中電灯片手に母屋から少し離れたところにある便所に向かった。 185 名前:体験談 投稿日:03/09/17 11:37 外へ出ると満月が山と一面の田んぼを照らし、十分に便所が見えた。 懐中電灯の必要性はない、そう考え用を足すには邪魔な懐中電灯を玄関において出た。 そこにきてまた女性を思い出す。 あの時は満月なんか出てなかったよな・・・ やっぱり夢か・・・・とりあえず便所に向かった。 便所はちょうど4畳ぐらいの小屋で扉から屋根まで全てが木製、 でちょうど風邪が通るように壁には肩から上ぐらいの所に横長の開きっぱなしの窓があった。 そこからは便所の隣に沿うように植えられている垣根とその奥にある田んぼが見える。 とりあえず私は小便をし始めた。 すると急に辺りが暗くなった、どうやら月が雲に隠れたみたいだ。 月明かりがもどると私は顔面が真っ青になっていくのがわかった。 垣根のすぐ裏に居る、あの女性が居る そして私の目をじっと見つめている、間違いなく私が声をかけた女性だ。 この状況から私は幽霊だと思ったが逃げる事も目を離すことも出来ず じっと私も彼女を見つづけた、心の何処かで幽霊を否定していたのかもしれない、 しかし、経験した事もない寒気と耳鳴りがした私はブツをパンツにしまって早く床につこうと考えた そして私がブツをしまうために下を向いて無意識に垣根の方を見た時 さらに目を疑った、 186 名前:体験談 投稿日:03/09/17 11:39 彼女が垣根より前に、私との距離が10センチもないところに顔を持って来た。 そして甲高い声と大きな口と目を立てにさらに大きく開け 「みぃぃ!!!!みぃぃ!!みぃぃ!!・・・・」と訳のわからない奇声を発して迫ってきた 私は声にならない声で叫び 床まで全力疾走し布団をかぶった、 おそらくそこで気を失ったのだろうか、気がつけば朝だった。 翌日両親にこの話をしたら精神病院に行く事を薦められ、 心の何処かでまだ霊的なものを否定していた私はきっと精神的なものだと思い 自ら精神病院を訪れた、病院の医者からは夢遊病との診断がくだされ、数週間の入院が決定した。 私もそれで体験した事を病的なものでごまかす事ができると心底喜んだ。 しかし入院初日の夜、ぐっすり寝ている私のベッドの上から誰かに見られているような気がして 目を開けて見るとやはり女性がいるわけです。 そこから完璧にノイローゼというか精神的におかしくなり その病院から大学病院に移り1年間以上入院をした。 入院中はもちろんずっとその女性が枕の上にいた。いました。 B! LINEへ送る - Part 54, 洒落怖