ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 18 > お守りの水晶 2016/04/04 621 名前:Yの友人 投稿日:02/09/04 22:19 これは私が体験した実話です。 私が大学生だった頃、毎日つるんで遊びまわっていた グループの中に非常に霊感の強いYという男がいました。 みんなで飲み会をしているときなどでも「オイ、あそこ に女の霊がいるぜ。」とか車で走っているときに 「このトンネルの先に墓地があるぜ。かなり霊がよってきてる」 などと「ネタじゃねーの!?」と思わせることを言うやつでした。 特に霊感もなく、金縛りにもあったことの無い私は、興味半分で よくそいつに「体験談」や「今見えている霊」を聞いていました。 そんなある日のことです。 長い大学の夏休みも終わり、久しぶりに顔を合わせたYが 少し怪訝な顔をしながら私にこう聞くのです。 「N(私)お前、夏の間に水辺に行ってないか?・・・」と。 当時ブラックバス釣りにはまっていた私はキャンプをかねて S県のB湖に何度か行っており、その事を告げると 「やっぱりな、お前持って帰ってきてるよ。溺死した女の霊。 白いワンピース着てて、長い髪が濡れてべったり張り付いてるから 多分水辺で亡くなった方だと思ったんだけどな・・・」 と私に事もなげに言うのです。驚きあわてた私は 「マジで?うそ?どうにかしろよ!」と怖さもあって、 やや切れ気味にYに言いました。Yは落ち着いた様子で 「大丈夫。そんなにきつい霊じゃないから。ただ他のを呼んだり するとやばいからなー」と言い、私に「これ着けとけ」と水晶の ブレスレットを渡しました。 私は素直につけ、「これで大丈夫なんだろうな?」と聞くと 「まあ、2~3日だろうな」と答えました。 624 名前:Yの友人 投稿日:02/09/04 22:25 その日から大学へ行くたびに「どうだ?まだいるか?」とYに 聞くこと5日目・・・「ああ、いなくなってるわ。」とこともなげ に答えるYに対して大喜びの私。「お祝い、お祝い」と私の おごりで飲みに行きました。その席でYは私に「一度霊が憑くと 癖になることがあるんだぜ。」などと私を脅すので、私はYに お願いして水晶のブレスをお守りとして譲り受けました。 625 名前:Yの友人 投稿日:02/09/04 22:27 そのことがあってから4年後、Yは投身自殺をして亡くなりました。 現場、自宅ともに遺書のたぐいは何も無く家族、同僚ともに Yが思いつめていた様子も無く、理由は全くわからないそうでした。 「お守りが形見になったな。」と思いながら大学時代のことを 考えながら家路につきました。 そして6年後。すっかりYのことや、霊が取り付いたことも 忘れていた私は同僚、後輩の強い誘いもあって、10年ぶりに ブラックバス釣りに行く事になりました。行き先はS県B湖・・・ 久々とはいえ良くかよった場所だけに結構、大物が釣れ後輩が 「Nさん、記念写真!!」と大物を自慢げに持つ私を、使い捨てカメラで撮影しました。 626 名前:Yの友人 投稿日:02/09/04 22:30 久しぶりの釣りで大物を手にした私は、ご機嫌で家に帰り妻に あれこれ話した後、激しい疲労感からか落ちるように眠りに 就きました。 次の朝、目を覚ました私は「何か変な夢をみたなあ。」 という記憶と抜けきらない疲労感を覚えたまま職場へと 向かいました。するとB湖で私の写真をとった後輩が 血相を変え近づいてくるのです。 「Nさん、昨日の写真を現像したんですけど、やばいんですよ!」 「何がやばいんだよ? 見せてみろよ」と私が手を出すと 後輩は震える手で写真の束を渡したのです。 627 名前:Yの友人 投稿日:02/09/04 22:33 やや陽射しがきつかったので、逆光でうまく撮れていない写真が 何枚かあったのですが問題の一枚を見た瞬間、私はあまりの 恐ろしさに震えていたと思います。 ボートの上で座って魚を右手で持ち、ボートのふちを握っている 私の左手、その手首が湖から伸びた青白い手に握られているのです。 更に2枚目には、青白い手と濡れた髪が張り付く頭が写って いたのです。私はその瞬間、大学時代の事件を思い出して 「水晶のブレスを・・・」と考えたときに今朝の変な夢を思い出しました。 夢の中で男が「また近づいただろう。また近づいただろう。」と 繰り返していて、だんだん遠ざかっていく夢だったのです。 628 名前:Yの友人 投稿日:02/09/04 22:35 その男はYだったのです。なんともいえない寒気を感じた私は 早退し、家で机の引き出しから水晶のブレスを取り出し腕に つけたのです。 恐怖を感じながら、すごすうちに妻が仕事から戻ってきました。 どうやら体調が悪いらしく、「頭が重いし、寒気がする」と 言い、早々に床に就きました。何とか寝ようと思い強めの酒を ガブガブ飲んで酔っ払い、ベッドでうとうとして、また夢を 見ていました。「お前じゃない。お前じゃない。」とYが言って いるのです。ふと目を覚まして「お前じゃないってどういうことだ」 と考えていると、妻が恐ろしい声でうなり始めたのです。 629 名前:Yの友人 投稿日:02/09/04 22:37 明らかに何かにおびえている様子だったので、「オイ起きろよ! オイ起きろってば!!」と必死で妻を起こしました。 目を覚ました妻が言ったことは、私を恐怖で凍らせました。 「全身びしょ濡れの女が私を引っ張るのよ!!いくらもがいても 放さなくて!」そう言いながら怯えきっているのです。 その女性の霊は私にとり憑いてその後、妻に憑いていたのです。 私はあわてて水晶のブレスを妻の腕につけかえました。 その瞬間、なんと水晶のブレスがはじけ飛んだのです。 妻と二人で怯えつつも水晶を拾い集めました。 水晶のブレスはワイヤーが切れてその場に落ちたとかではなく、 約3m四方に飛び散っていたのです。 630 名前:Yの友人 投稿日:02/09/04 22:38 怯えた妻を抱きかかえながら、二人で震えていたのですが そのうち私はうとうとしていました。そしてまた夢を見ました。 夢の中でYは「身代わりだよ。身代わりだよ。」と 繰り返していました。 水晶のブレスが妻の代わりに霊の怨念?を受けたのでしょうか。 その後水晶を宝石屋に持って行きブレスにしてもらいました。 今でも私の左手首に常についています。 私は2度と水辺に近づかないことを誓いました。 B! LINEへ送る - Part 18, 洒落怖