ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 1-10 > Part 10 > ついてくる子供 2016/03/25 470 名前:朝日新聞 投稿日:02/02/07 21:36 昔、喫茶店で会社の同僚から聞いた話。 K氏(同僚)は若い頃、すすきのの飲食店に勤めていた。 ある早番の日、同じく早番だった職場の先輩と、仕事上がりに飲み屋に寄った。 K氏も先輩も酒好きだったので、日が変わる前に店を出て、先輩の家で本格的に飲もうとなった。 先輩氏のアパートは、創成川という川沿いにあり、すすきのから歩いて程近い距離だったので、二人で川沿いを歩くことになった。 アパートが近づき、繁華街から離れて辺りも静かになってきた頃、二人の後ろから足音が聞こえてきた。 振り返ると、野球帽をかぶった少年が、二人の後ろを歩いていた。 少年はうつむいたまま、無言で歩いていたそうだ。 時間も時間なので、どうしたのかと思いつつ、またアパートに向けて歩き出した。 少年も、また二人の後をついてきた。 K氏が言うには、その時にはもう、二人とも後ろを歩いている少年が生きていないことを、直感的に理解していたそうだ。 特に確証があったわけではないが、既に周りの空気がおかしかったと言う。 このまま放っておいたらアパートまでついてくるのではないか、と思ったので、二人で目配せして、その場で立ち止まった。 後ろの少年も立ち止まった。 471 名前:480@札幌の人 投稿日:02/02/07 21:37 不自然なくらい、周囲に人通りはなく、夜道に3人だけだったとK氏は言う。 二言三言声をかけたが、少年はただうつむいて立っているだけだった。 「どうせ相手は人間じゃないし、遠慮することは無いと思った。酒も入っていたし」とはK氏の弁。 K氏は、少年の野球帽を取り上げてみた。 野球帽の下には、目玉の無い顔があった。 「それでどうしたんですか」 と聞くと 「とにかく走って逃げた。びっくりしたからね」 そうK氏は答えた。 どのように見えたのか尋ねると 「生きてる人間とおんなじ。触れるし、いるなってのがはっきりわかる。独特の気配はあるけど、それは口ではいえない」 という答えが帰ってきた。 472 名前:470@札幌の人 投稿日:02/02/07 21:38 後日。 偶然高校時代の友人と再会し、二人で飲み屋に行って焼き鳥を齧っていたら、なぜか怪談話になった。 「とっておきの話がある。去年俺が見た話だ」 と言うので聞いていたら、場所も状況もK氏の話とそっくりである。 後ろから足音が、と彼が言ったところで 「野球帽の子供だろう?」 と聞くと 「ちがうよ、幼稚園の制服着た女の子だ。泣いてたんだよ」 との答えが帰って来た。 「人通りの無いところで、そいつの顔見たんじゃないか?顔はどうだった?」 「血まみれ」 K氏の話を聞いてから後、同じ場所同じ状況の話を3件聞いた。 皆状況はほぼ同じだが、出てくるものが違っていた。 K氏は野球帽の少年、友人は幼稚園児、もう一件は小学生くらいの女の子。 いずれも男の二人連れが、流血した重症の子供を見ているらしい。 近所の土を掘り返してみたら、子供の死体が何体も出てきて、犯人は二人連れの男。 いつかそんな事になるのではないかと思いつつ、思い出すたびに地方紙をチェックしている。 B! LINEへ送る - Part 10, 洒落怖