ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 1-10 > Part 6 > エレベーターの中に 2016/03/20 207 名前:ほんご 投稿日:2001/07/07(土) 00:53 これも出版物からの引用ですが…。うろ覚えなので多少本物の話と 違ってるところもあるかもしれませんが勘弁してください。 その日、残業を終えて私が会社から帰ってきたのは真夜中だった。 タクシーを降りてオートロックの玄関を入りエレベーターのボタンを 押したとき、外の非常階段を誰かが下りてくる足音が聞こえた。 「おかしいな?」普通なら例え2階に住んでいる人でも、わざわざ 非常階段など使わずにエレベーターを使うものだ。どことなく違和感を 感じた。しかしあまり深く考えずに、やってきたエレベーターに乗ろうとした。 つづく 210 名前:ほんご 投稿日:2001/07/07(土) 01:10 扉が開くと中には一人、女の人がすでに乗っていた。 『上から乗ってきてここ(1階)で降りるのかな』と思ったが 降りる様子が無い。『じゃあ地下の駐車場から乗ってきた人なんだろう』 と思ったが、なんとなく奇妙なのだ。彼女はさっきからずっと入り口に 背を向けて壁がわを向いたままなのだ。気味が悪いなと思ったが そのまま自分の住む5階のボタンを押した。私たちを乗せたエレベーターは 5階に到着した。私は逃げるようにエレベーターを降り、部屋に 入ってカギをかけ、すぐに風呂に入った。 風呂から上がって、いつもの習慣でビールを飲もうと冷蔵庫を開けた。 ところが運悪くビールを切らしていたようだ。今夜はビールは あきらめようとも思ったが、私にとって風呂上りのビールは欠かせない ものであるし、ここから歩いてすぐのところにコンビニがあるので 面倒だが買いに行くことにした。適当に服を着て出て、エレベーターの ボタンを押した。 つづく 211 名前:ほんご 投稿日:2001/07/07(土) 01:15 すぐに扉が開いたので乗り込もうとした私は凍りついた。 さっきの女の人がさっきと同じ姿勢で同じ所に立っていたのだ。 さすがにもう乗れない。 そう思った私はあわててエレベーターから離れ、廊下の突き当たりの 非常階段の扉へと向かった。 非常階段を降りる自分の足音をききつつ、さっき聞いた 足音の主も私と同じ女を見たからエレベーターに乗ることが できなかったんだろうと納得した。 という話でした。 あまり落ちらしい落ちも無いですが、なんとなく怖い話だったので。 B! LINEへ送る - Part 6, 洒落怖 エレベーター