その三日後に、そのチェーンメールが俺のところにきた。
俺は正直とても嬉しかった。当然、不安など微塵も感じていなかった。
次にそれが来たのは、その2日後。
その次はその日の夜中過ぎだった。
俺は少し驚いた。全く心当たりのない人からおくられてきたから。
そこまで広がってるのかと、ほんのすこしだけ怖くなった。
その次の朝。起きてすぐメール確認してみる。
未開封が10件以上あった。
まさか。
予感どおりだった。全部例のメール。
呆然としている間にも、次々と。次々と。
この通り、俺は、口コミの力を馬鹿にしていた。
しかし更にもうひとつの誤算があった。
簡単にいえば、「念」についての。
このメールは、ご存知の通り日本中に広がっている。
なかには信じていないという人もいるかもしれないが、
たいていの人は心の奥底で多少なりとも信じているんだろう。
その信じる心が、俺の他愛のないいたずらを、本当ののろいに変えてしまったのだ。
今こうして書き込みしている間にも何百件ものメールがやり取りされている。
内容も1日が1時間に、2人が10人に、「不幸」が、「死」にエスカレートしている。
怪談も、より怖く、洗練されてきている。
これ以上の被害を食い止めるため、おれは最後の手をうつ。