ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 18 > ドアチェーン 2016/04/04 786 名前:初かきこ1/3 投稿日:02/09/07 22:16 私が大阪市内の、或るマンションに住んでいた頃の体験です。 11階建というかなり大型の、独身層狙いのマンションでした。 2DKとは名ばかり…玄関ドアからベランダまで筒抜けの 狭い部屋でしたが、なにしろ駅近。地下鉄御堂筋線で天王寺へ7分、 難波へも13分で出られるという至便物件なのが魅力でした。 マンション生活の経験ある人なら分かるとおもいますが、 ドアには大抵、小さな魚眼のドアスコープとドアチェーンが付いてます。 私はそのマンションにいる当時、ドアチェーンなど 掛けたことがありませんでした。エントランスはオートロック付、 誰もが簡単に入れる建物ではなかったので、 そこまでの必要は感じませんでした。 787 名前:初かきこ2/3 投稿日:02/09/07 22:17 或る日、深夜の1時過ぎぐらいだったとおもいます。 夜更かし好きの私も、すべての灯りを消し布団の中にいて、 そろそろ寝付こうとしていました。 その時、いきなり、ドアの方から“ガチャガチャ” 「鍵」を差し込んで回す音が聞こえてきたのです。 私は心臓が凍りつきそうになりましたが、 すぐさま飛び起き、ドアに走り寄りました。 「ここは707号室ですよ、間違っていませんか!(必死でした)」 「…あれ、階を間違えたらしい」という呟きがドアの外から聞こえ、 まもなく何の物音もしなくなりました。 恐る恐るドアスコープを覗いてみると、かなり年輩の男女の二人連れが 701号室の横にあるエレベーターの方へと、 長い廊下を歩いていく後ろ姿が見えました。 たぶん、女性がこのマンションの住人なのでしょう。 難波辺りで飲んで、酔っぱらっていたに違いないと想像しました。 しかし、どれほど恐ろしかったか…。 788 名前:初かきこ3/3 投稿日:02/09/07 22:19 それから数カ月後の、おなじような深夜でした。 その時も布団の中にいて、ウトウトしかけていると、 また“ガチャガチャ”と、鍵を回す音が聞こえたのでした。 咄嗟に私は飛び起きましたが、前とは状況が違いました。 …ドアが開いたのです。少し開いて“ガチャ”と止まりました。 ドアの細い隙間からは、廊下の灯りが差し込んでいました。 私はドアの所まで走り、声をかけることなく思い切り力をこめて レバーを引きドアを閉め、中から施錠しました。 そして勇気をだして、ドアスコープを覗いてみました。 しかし…人の気配はありませんでした。 長い廊下の向こうに、エレベーターの扉が見えていただけでした。 ドアが開き、私が飛び起きてドアまで走ったのは 僅かな時間だったと記憶しています。それとも、 驚きの余り私は時間感覚を失っていたのでしょうか…。 あの時、ドアチェーンを掛けていなかったら、 私はどうなっていたのだろう、何を目撃しただろう。 今、思い出してもぞっとします。 B! LINEへ送る - Part 18, 洒落怖