確かネット上で見かけた話です.URLとかは忘れました.
下手すると笑い話ぽく聞えますが,私ははじめてこれを読んだときとてもこわかったです.
正確には記憶していないので,かなり脚色しています.
私の友人は,ハト好きです.そんな友人がある日,私に嬉しそうに話してくれました.
「最近,うちによくハトが訪ねて来るんだ」と.
彼はアパートに一人住まいなのですが,窓を開けて寝ていると,ハトが窓から入ってくるというのです.
はじめは警戒してか窓の側までしか来なかったのが,窓の中に入ってくるようになり,
いまでは寝ている彼のからだの上に乗っかってくるというのです.
しかし,そのハトが訪ねてくるのは必ず彼が寝ているときだけだというのです.
そのハトの姿を見たいとは思っているのだけど,下手に起きてハトが逃げ出し,
二度と寄り付かなくなっても寂しいのでがまんしている,と.
そんなハト,ほんとにいるんかな,と思いましたが,彼があまりにも嬉しそうなので無粋なツッコミは控えておきました.
それからしばらくして,私は彼の部屋に遊びに行きました.まだ残暑が厳しい日で,
部屋の窓は開けっ放しです.私は部屋で寝転んでいたのですが,友人は買い物に出かけました.
そのうち私はうとうととしはじめました.ふと気づくと,体の上に何か乗っています.
その体の上のものは「クルゥー,クルゥー」と鳴いているようです.
ああ,例のハトだなと思いました.
しかし,友人に,「もし俺の留守中にハトが来てもハトを見るな」と言われていたので,
目を閉じたままでいました.
(つづく)