ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 1-10 > Part 7 > ペン 2016/03/21 881 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/08/25(土) 13:31 俺は留学生で大学のイベントでインターナショナルな怪談話大会 というのがあった。 雰囲気だけは盛り上げるんだけど、感覚が違う ので、欧米の話は恐くなかったな。ただ、その中で韓国人のした話は 日本と感覚が近かったのでいけるかも。でもほとんど忘れたのでかなり脚色して紹介してみる。 主人公は高校3年の女子生徒。 定期テスト直前だった彼女は、深夜まで自室で勉強をしていた。 学習机に向かって必死に問題を解いている。 ---瞬間的に集中力が途切れた彼女。持っていたペンを指でいじくる。 ふと、そのペンを自分の背後に投げてみたい衝動にかられた。 本当に、なんとなく。特別な意味はなかった。 そして、机に座ったまま、背後にペンを投げる。 ・・・床に落ちたはずのペンだったが、何の音もしなかった。 彼女の部屋はフローリング。ペンが落ちれば当然、音がする。 ぞっとした彼女が、背後を振り向くと、ペンは偶然クッションの上に落ちていた。 「そんなわけないわよね」一人つぶやき、安堵する彼女。 882 名前:ペンの話の続き 投稿日:2001/08/25(土) 13:32 翌日、学校で・・・ 「実はね、深夜の2時頃、背後にペンを投げて、ペンが床に落ちる音が しないと、原因不明の理由で死んじゃうって話、聞いたことある? ・・・実はね、私、昨日その通りに夜中の2時に、背後を振り向かずにペンを投げてみたの・・・」 その話を聞いていた友達は、ごくりと唾を飲みこんだ。 「・・・そしたら、ペンの落ちる音がしなかったの!!」 彼女が大きな声で盛り上げると、友達は悲鳴交じりで、驚きに近い反応を示した。 それを見た彼女は、 「実際は、クッションの上にペンが落ちただけだったの。ははは」 このように、休み時間を利用して友達に昨夜の出来事を、多少脚色して笑い話に変えて話したのだった。 その夜。 昨日と同様に、深夜までテスト勉強を頑張る彼女。勉強も一段落して 何となしに机の上の置時計を見ると、2時を5分ほど回っていた。 2時という時計の針に、友達が自分の話で恐がっていたことを 思い出させられ、再び右手に握られていたペンを見つめた。 そして、背後に投げてみた。 ・・・やはり、音はしなかった。 おかしい。実は彼女は確認していた。 前日のクッションは、すでにベッドの上に移動させていたのだ。 思いつく限りで、彼女の背後にペンの音を吸収するようなものはない。 投げた感覚でペンの落ちる位置は予想できる。そこには何もないのは確かなのである。 彼女の前身に鳥肌が立った。悪寒が鋭く身体中を走る。 彼女は、一瞬の迷いの後、ゆっくりと背後を振り返った・・・ そこには友人が立っていた。 「・・・あなたの話の通りにやってみたの」 冷たく、低い声で、ささやくようにそう言った友達の右手には、しっかりと彼女のペンが握られていた。 B! LINEへ送る - Part 7, 洒落怖