ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 14 > 保健室 2016/03/31 442 名前:通りすがり(仮) 投稿日:02/06/21 13:57 -保健室- 保健室のベッドで寝るのは初めてだった。 こんなに熱が出たのも初めてだ。 風邪をひいてるからだけじゃない。隣には○木さんがいた。 病弱なのは聞いてたけど、こんなところで会うなんて夢にも思わなかった。 二人とも熱でだるかったけど、ただ横になってるなんて つまらなかったから、いろんな話をした。 こんな隣同士のベットで寝てるなんて、結婚したみたいだ。 なんて考えて、ボクはどきどきしていた。 ○木さんは寝ちゃったけど、ボクはとても眠れやしなかった。 「先生ね、ちょっと、行かなくちゃいけないんだけど、楽にしててね」 誰かが呼びにきて、先生はどこかへ行った。 突然二人きりにされて、ボクはますます眠れなくなってきた。 ちらちらと、○木さんを盗み見ていると、カーテンの向こうで声がした。 「・・・・・・に・・・い・・・だろ」 よく聞こえないけど、知ってる声みたいだ。 ボクは△ちゃんだったらまずいと思って、薄目を開けて、 寝たふりをした。△ちゃんが○木さんを好きなのはみんな知ってる。 こんなところを見られたら、後でなんて言われるか判らない。 「・・こ・・・・る・・」 なにかつぶやきながら、声が近づいてくる。 「だ・・か・・こに・・るだろ」 カーテンは開いた音はしないのに、いつの間にか声はすぐそばにまで来てる。 薄目を開けてるのに、誰も見えない。 「・・こ・・・・・・よ」 嘘寝がばれるから、絶対に動いちゃいけないと思って、ボクは目を閉じた。 今は、もう、すぐそばで声がしていた。 「だれかそこにいるだろ」 絶対におかしかった。絶対。足音もしないし、誰も見えないのに。 「だれかそこにいるだろ」 「・・こ・・・・るよ」 声はボクの周りをうろうろしていた。 がんばって薄目で見てみたら、カーテンは人影で囲まれている。 「だれかそこにいるだろ」 見つかっちゃだめだ!! そう思ったけど、突然○木さんのことが頭に浮かんできた。 そうだ、○木さん! ○木さんは大丈夫!? ボクは寝返りのふりで、○木さんの方を薄目で見た。 ○木さんは飛び上がって、ギィッ、と、目を見開き、ボクを指差して、 信じられないような低い声で言った。 「そこにいるよ」 B! LINEへ送る - Part 14, 洒落怖