ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 1-10 > Part 7 > 呪い人形 2016/03/21 893 名前:狂爺 投稿日:2001/08/26(日) 00:20 呪いの人形1 最初は、ほんの冗談だった。 うちのクラスには、一人どうしようもない馬鹿がいる。 野口と言う奴だけど、みんなはノロ、ノロと呼んでいた。 なんでも信用するので、からかって遊んでいたのだが、 ノロは、なぜか俺が気に入ったらしく、よく俺の言うことを聞いていた。ある日、「呪いってどうやってかけるか知ってる?」 と、あまりにも馬鹿なことを聞いてきた。 中3にもなって、呪いなんて信用するかなぁ。って 思ったけど、彼の顔を見ていたら、からかいたくなったので 「知ってるさ、ブーズー教の呪いの人形さ。 まあ、みてなって、カッターだせよ。」 そして、そのカッタ-で彼の指を少し切った。 彼は、真っ青になったけど、俺はそのまま進めた。 「そして、この血をな、こうやって泥と混ぜて人形をつくるんだ。」 俺は、15センチ程度の血の混ざった泥人形を作った。 「お前が、呪いたいのは・・・寺本だろ?」 ノロは、びっくりしてコクっと頷いた。 894 名前:狂爺 投稿日:2001/08/26(日) 00:21 呪いの人形2 「本当は、彼の持ち物か、髪や爪があればいいんだけどな。」 すると彼は、かばんの中からヘアーブラシを取り出した。 「お!それ、寺本のか!あいついつもお前のこといじめてるからな。」 「しかし、よくブラシなんか、ガメてきたよな。」 俺は、いつもやっているかのように手早くブラシから髪の毛を 取り出し、泥人形の中にうめこみ、寺本の名前を拾った古い釘で書いた。 それから、 「命をとるとあんまりだろう。足でいいんじゃないか。」 釘を人形の足にねじこんだ。 「そして、これを暗くて、誰にも見つからないところに隠すんだ。 すると、早くて2・3日、長くても1~2週間で効果がでるんだぞ。」 「最後にこれだけはまもれよな。効果が出たらすぐに川か海に流すんだ。」彼は、信用したのか泥人形を何処かへ隠しにいった。 俺は、もう可笑しくって、可笑しくて、あんな泥人形を大事に抱えていった。 895 名前:狂爺 投稿日:2001/08/26(日) 00:22 呪いの人形3 それから、二日がたった。 ノロが俺にドモリながら聞いてきた。 「ね・ねえ。い・いつ、きくの?」 最初は、何のことかよくわからなかった。 ようやくなんのことか思い出した頃、担任が血相を変えて 教室に入ってきた。 「寺本君が、昨日の夜交通事故にあいました。 盗んだバイクを乗り回していて、・・・スピードの出しすぎで・・・ 命には支障ないにみたいですが、下半身が・・・・。」 担任の話が最後まで聞けなかった。 なんで、あんないいかげんな呪いが利くんだ。 俺が彼を・・・。いや、偶然だ。 なんで、あんないいかげんで思いついたような呪いが・・。 なぜ、あんなにスラスラと出てきたんだろう? 896 名前:狂爺 投稿日:2001/08/26(日) 00:22 放課後、ノロが俺に言い寄ってきた。 「すごいね。すごすぎだね。いまから、人形、川に流すから、すごいね。すごいね。」 ノロは、にこにこして飛ぶように帰っていった。 なんて奴だ。 奴には、罪悪感がないのか。 クラスの仲間と寺本の見舞いにいったが、彼には会えなかった。 寺本は、右足を切断したそうだ。俺が釘を刺したほうの足だ。暗い気持ちになって、見舞いから帰る途中、近くの神社でノロを見た。 そわそわしながら、裏手の方から闇の中へ消えていった。 なんとなく気になって、ノロのいた方へ行くと神社の裏手の羽目板がずれていた。 それを動かすと、血まみれの泥人形が出てきた。 その人形には、俺の名前が書いてあり、釘は額に刺してあった。 B! LINEへ送る - Part 7, 洒落怖 人形, 同一作者