ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 21-30 > Part 24 > 天井のシミ 2016/04/15 39 名前:1/4 投稿日:03/01/14 16:46 学生の頃、練馬の木造ボロアパートに住んでた。 そこで一年くらい暮らしたある日、初めて友人が泊まることになった。 飲んでるうちに終電過ぎてしまい、仕方なく俺のアパートに来たのだ。 散らかり放題の部屋で、何とか友人の眠るスペースを作ると、深夜二時くらい横になった。 「おい、これって人の顔に見えねえか?」 しばらくして友人が話し掛けてきた。 天井を指差している。 「そりゃシミだよ。多分上の住人が水漏れさせたんだろ」 天井の一部が不自然に汚れているのは、越してきた当初から知っていた。 40 名前:2/4 投稿日:03/01/14 16:47 「あれ、おっかしいな」 友人は立ち上がって天井を観察しだした。 「寝てると見えるのか」 俺はちょっと苛ついて起きると、蛍光灯の紐を引っ張って照明をつけた。 「あっ、見えなくなった」 「ただのシミだよ」 友人は俺にかまわず、近くにあったテニスラケットでシミをなぞり始めた。 「これが口だろ。そんで目。鼻はここ。うーん、何か違うな」 いつもなら部屋の電気は消して寝るのだが、友人がトイレに 行くときのことを考え、豆電球だけはつけておいたのだ。 友人は横臥している状態なら、人の顔に見えると言う。 しつこく勧めるので、俺も同じ状態で天井を眺めた。 確かに人の顔に見える。初めて気が付いた。 41 名前:3/4 投稿日:03/01/14 16:48 「これって北枕になるよな」 友人がそう言った瞬間、部屋が揺れた。 2人とも息を呑んで当たりを窺った。 「地震、、、、、、だよな」 俺が恐る恐る立ち上がり、蛍光灯の紐を引っ張った時だ。 40Wの蛍光灯が点灯する瞬間、 天井にはっきりと 中 年 の 男 の 顔 が浮かんだ。 2人同時に声を上げ、部屋から逃げ出そうとした。 「うるせえぞ!」 部屋の壁を蹴る音が響き、俺は頭が真っ白になった。 42 名前:4/4 投稿日:03/01/14 16:49 確かに右隣りから、その声は聞こえたのだが、、、、。 俺は焦って部屋を出ようとする友人を引きとめた。 「落ち着け!落ち着け!」 今玄関の扉を開ければ、そこに何がいるか分からないと感じた。 「何だよ!こんな部屋には居られねえよ」 友人は声を押し殺して訴えた。 「違うんだ」 俺は友人の前に立ちふさがった。 「隣は空き部屋なんだよ!」 きょとんとする顔つきの友人に、俺は言葉を続けた。 「誰も住んでないんだよ」 つい最近、その木造アパートのある場所の近くまで行った。 その築40年くらいの建物は跡形もなかった。 B! LINEへ送る - Part 24, 洒落怖