布団の枕もとには石油ランプがあり、近くには週刊誌が広げてあった。
友人は無言でその週刊誌を拾い上げ、発行日の日付を確かめた。
それから、「三年前のだ」とつぶやき、お互い顔を見合わせた。
と同時に、二人ともわめきながら部屋から転がり出た。
私道に分岐する林道まで走って逃げて、そこで息をつきながら、しばらく休んだ。
「あそこってさ、発狂した人間が住んでたんじゃねえかな」
僕は自分の恐怖についてしゃべった。
友人は目を閉じて、しばらくこちらの話を聞いているようだったが、
ずっと無言だった。
どう思う?こちらから訊ねると、友人は静かに話した。
「あの部屋だけど、・・・・・虫とか動物が入ってきた形跡が無かったよな」
「本当に人間が住んでたのかな」
「さて、車どうすっか?」
僕は聞いていない振りをした。
お わ り