ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 21-30 > Part 23 > 引き戸 2016/04/14 607 名前:桜田門勤務 投稿日:02/12/31 16:05 俺が小6の頃まで住んでいた東京下町のマンション、空襲の跡地で地縛霊が そっちこっちで見かけられると、一部の住民のあいだで噂されていた。以下、 俺が小2の頃の実話。説明がくどかったらスマソ。 608 名前:桜田門勤務 投稿日:02/12/31 16:06 親父と風呂に入って、上がったら足拭きマットのところに飼い犬が寝ていた。 犬は父のことが大好きで、父の入浴中も近くにいたがることがよくあるのだ。 風呂場の前は洗面所なのだが、そこに入るには引き戸を開けなくてはならない。 そのとき引き戸は開いていて、犬が勝手に開けられる重さではなかったから、 ああ、母が外から開けてやったんだろうと、当然のように考えた。もしくは ただ単に親父か俺が閉め忘れたんだろうと。 ところが母の言葉を聞いて驚いた。 「ねえ、洗面所の引き戸、開けてやったの、あんたたち?」 親父と俺が風呂に入っている最中、犬が入りたそうに洗面所の前で座っていた のだという。母は面倒臭かったので放置していたが、やがて引き戸の内側から 人間の手が伸びてきて、開けてやったのだという。犬は喜んで入っていった。 「いや。俺ら、1度も途中で風呂から出たりしてないよ」 父の言葉に母は納得し、そして気味悪そうに付け加えた。 「そういえばあの手、やけに高い位置から出てたのよ。色もなんか青白くて」 父は神妙に頷きながら、落ち着いた口調で言った。 「風呂入ってるとき、洗面所に何かいる気配はしてたけどな」 B! LINEへ送る - Part 23, 洒落怖