かなり長い沈黙の後,さっと,白い影と明かりが画面上を横切りました.
そしてまた沈黙が続きます.
やがて,カーン,カーンと釘を打つような音が聞えました.
数分間その音は続き,それが終わった後,また白い影と明かりが画面を横切りました.
また沈黙.
やっとすこしだけ照明がつき,カメラは先ほど音がした方へと近づいて行きます.
足音からしてカメラマン以外にもまだ数名,スタッフがいるのでしょうが,
私がテレビを見はじめてから,まだ一言も人間の声が聞えてきません.
さて,しばらくして,カメラはひとつの木へどんどんと近づいて行きました.
その木の幹には藁人形が五寸釘で打ち付けられています.
その藁人形へさらにカメラが近づく.そして….
見なければよかった.
その藁人形には私の名が書かれ,私の写真が貼られたあったのです.