ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 1-10 > Part 5 > 煙のようなもの 2016/03/19 54 名前:コクシネル 投稿日:2001/05/13(日) 03:44 都内某所での体験。 出張先での仕事が長引き終電も逃してしまった為、ビジネスホテルに泊まること にした。部屋に入りコンビニのお弁当を一気に食べてビールを飲むと、ベッドに 倒れこみそのまま寝入ってしまった。 夜中目を覚ました。ボンヤリした薄目の視界から、天井の鏡に映る自分が見える 。そのまま再び寝入りそうに朦朧としながらも「ん?ビジネスホテルの天井が 鏡張り??」と違和感を覚えた。 同時に部屋に漂う煙のようなモノを感じた瞬間、ガバッと飛び起きた。 「火事か?!」完全に覚醒した。 しかし火独特の匂いがない。それに部屋に漂うものは煙というより、何か綿の様 なフワフワしたものなのだ。一瞬安堵したが、咄嗟にさっきの天井を思い出した。 ハッとして見上げると、鏡に思えたのも無理はない。 天井にはベッドのシーツと見まがうような、まるで絹で出来た蛇の胴体のような 真っ白な‘何か’がトグロを巻くようにミッシリと充満している。それがズズズ と蠢いているように感じた。そしてその真中に女性の顔があり、私を見下ろして いたのだ。バサッと下に向かって垂れた長い髪が、その顔が上から見下ろしてい る事を物語っている。 私は一瞬駆け出そうとしたが、そのまま凍り付いてしまった。目が逸らせない。 するとその真っ赤な唇がキューッと吊り上り「ぐふっぐふっぐふっ」と声をだす。 その声は笑っているのか苦悶しているのか、よくわからなかった。 B! LINEへ送る - Part 5, 洒落怖