ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 16 > 犬の死体 2016/04/02 490 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/08/11 23:47 小学生の頃、近所の工務店が夜逃げ倒産した。 完全に建物土地がトタンで囲われ外界と隔離されていたのですが、 さんざん探し回って裏の家の屋根からの土地への侵入ルートを発見しました。 その土地は倉庫と飯場(従業員のトタン造りの建物)が寄せ集まった薄暗い空間。 飯場にはあわてて出て行ったのか、どの建物にもまだ少し生活の名残すら。 ところが、その場所は私独りのものではありませんでした。 飯場の者が飼っていたのか?野良が侵入したのか、親犬と、仔犬が7・8匹。 小学生の私はその犬逹を追っかけまわして遊んでいました。 そんなある日、いつものように倉庫に入ったところ、床にあるものが。。。 続く 506 名前:490 投稿日:02/08/12 08:17 >>502 薄暗い倉庫の床に仔犬の前半分だけがおちていました、腸はみでた状態で。 “うわっ、ついに共喰いしたんか?!怖え~”なんて考えつつ 鉄棒を構えて犬の襲撃にそなえつつ(小学生だったもんで)簡単に他の倉庫や 飯場を探検したのですが、他の犬は見当たりませんでした。 ???となりながらも、どこかに抜け道があるんだろうなと思いながら、 工務店の裏口に廻ったところ、扉の下部のトタンがめくれている部分を見つけました。 “こんな風になっていなかったよな?いや、見落としか?犬が咥えて広がったのかも” 犬が出入りできる大きさだったので、犬はきっとこの中にいる! と想像しました。 続く 508 名前:490 投稿日:02/08/12 09:35 工務店は4階建て、長方形のさほど大きくない建物で1~3階分の窓、扉は全て トタンで打ち付けられていて、まだ侵入したことはなかったのです。 “この部分、持ち上げたら通れそうだぞ” 未知の探検に、惹きつけられるようにそのトタンをめくり上げてみると、 ドアの下半分が抜けていて、充分通り抜け出来るようになっていました。 のぞくと中は真っ暗だが、トタンの小さな隙間から細い光がところどころもれていて 目の前にあるドアの「給湯室」という文字もなんとか見えるくらい。 不思議と熱気が吹き付けてきて(トタンが陽に焼けて?) 何かたとえようのない匂いが吹き付けてきて蒸しかえりました。 耳をすませましたが物音は聞こえません。 探検心が猛烈にわきかえり、既に犬のことは頭からとんでいました。 続く 587 名前:490 投稿日:02/08/13 10:32 中に入ってみると事務所の部分は棚等が倒されていてぐちゃぐちゃに荒されているようで、 自然に2階への階段へと足を進めました。階段の手摺のところにはトタンに塞がれていない 4階からの光が届いて、誘われるようにそのまま4階へ。 見たところ4階は一本の通路が奥まで延びていて、部屋番号の付いたドアが左側に並び 右は全て窓で丁度倉庫や飯場が見渡せるようになっていました。 なんとなく緊張も解け、どうやら社員寮であるその部屋を順々に覗きながら奥へ進んで行きます。 各部屋には作業服とか靴下やそんなものが落ちているだけで大したお宝は見つからず、 ついにどん詰まりの部屋の扉のノブに手をかけました。 続く 588 名前:490 投稿日:02/08/13 10:34 中は他の部屋と違いカーテンが閉めてあり薄暗くなっていました。 最初に目についたのは部屋の中央にひかれた布団でした。 まるで今まで誰かが寝ていたかのようにめくりあげられた掛け布団、 周りに散乱するマンガ、エロ本、ゴミ。 その部屋には他の部屋にも増して凄い生活感が漂っていたのです。 ちょっと薄気味悪さを覚えつつも、エロ本を見たりした後に、更なる獲物を求めて 押入れの襖を開けました。 上段には大きく丸められた新聞紙が突っ込まれていました。 続く 589 名前:490 投稿日:02/08/13 10:35 何か茶色に汚れた感じのその塊からふいにどっと異様な匂いが押し寄せてきて 反射的にげっとしゃがみ込むと、そこにでかい・・・スコップ。 小学生の私の頭でも、柄まで赤黒い斑点が飛び、先が汚れたスコップと 仔犬の無残な屍骸とが結びつきました。 急に恐ろしくなって慌てて廊下に飛び出、階段の方に走る私の耳に 「ガリガリガシャン!!」 階下より金属音が聞こえたのです。 しゃがみ込んで窓から外を覗き込むと、見えました。 パーカーっぽいのを着、頭を短く刈り込んだ男がスーパーのビニール袋らしきものをぶら下げて侵入口の所に立っているのが。 続く 590 名前:490 投稿日:02/08/13 10:36 その顔がこちらに向けられ、目が合った気がした。 心臓バクバクで「殺される殺される」と足をがくがくさせながら、はいずって廊下を戻りました。 奥の部屋に戻りカーテンと窓をあけ、覗き込むと2階の屋根の部分が出っ張っており、エアコンの室外機が置かれています。迷わず室外機に上へ飛び降りました。 (今考えると狭いひさしの部分でよく飛べたもんだと思います) そこから倉庫の屋根の端に乗り移り一目散に逃げ帰ったんです。 はたして債権者のヤ組の居座りだったのか?その後不気味なことに近隣の道端に焼き焦がされた犬の屍骸とか口に棒を突っ込まれた状態の犬の屍骸が放置されていました。 まるで自分への警告のようで死ぬ程ビビリまくったのを覚えています。 長くて失礼しました。 B! LINEへ送る - Part 16, 洒落怖 動物