ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 14 > 留守番 2016/03/31 75 名前:通りすがり(仮) 投稿日:02/05/23 12:10 留守番- 一人で留守番をしていると電話が鳴った。 「お母さんはいますか」 買い物に行ってます。と、ボクは答えた。 「お父さんは?」 会社に行ってます。とボクは答えた。 「そう、近くまで来たもんだから、預かってた荷物を返したいんだけど、 どうしよう? 開けてくれるかな?」 わかりました。と、ボクは答えた。 程なく、チャイムが鳴った。 ドアを開けると、ダンボールを持った知らない人が立っていた。 「ありがとう、お留守番えらいね。ところで、ボク一人なの?」 「うん」 「それじゃあ、ぼうや、荷物を置きたいんだけど、お父さんの部屋はどこかな?」 「おとうさんの部屋は入っちゃいけないの」 「大丈夫。おじさんは、おとうさんの友達だから」 「でも、いけないの」 「でも、お父さんの部屋に置かないと、後で、ぼうやが怒られちゃうぞ」 「でも・・・」 「大丈夫、おじさんがお父さんに言っておいてあげるから」 ボクはしぶしぶ、お父さんの部屋を教えた。 「ありがとう、あとは、おじさんが自分でやるから、ぼうやはそこにいてね」 おじさんはダンボールを持って、お父さんの部屋に入っていった。 76 名前:通りすがり(仮) 投稿日:02/05/23 12:11 ボクは言われたとおりに待った。 お父さんの部屋のドアを見ながら待った。 でも、おじさんは出てこない。 ボクはお父さんの部屋の正面に腰掛けてじっと、ドアを見ていた。 物音一つしてこない。 ボクはドアを開けて、お父さんの部屋の中を見なきゃいけないと思った。 どうしてか、おじさんが帰ってこないことが、不安でならないのだ。 「おじさん?」 ・・・返事は無かった。 恐る恐る、ノブに手をかけると、ドアは簡単に開いた。 「おじさん?」部屋の中を覗き込んでみる。 ・・・誰も居ない。 窓も閉まったまま、机の下にも誰も居なかった。 ただ、机の上にさっきのダンボールが置いてあるだけだ。 ボクはこの箱の中身が気になった。 小さいダンボール箱。 ボクだって絶対入れない。 ボクは昨日読んだ怖い話を思い出した。 犯人が探偵に追われ、証拠を隠すために死体をバラバラに 刻んで、小さな箱に隠す話だ。 - この箱は開けちゃいけない。 この箱は開けちゃいけない。 だって、この中には・・・・・・ そう思いながらも、僕は恐る恐る手を伸ばした。 この中に・・・・ 77 名前:通りすがり(仮) 投稿日:02/05/23 12:12 そのとき、電話が鳴った。 ボクは息を忘れるくらい驚いた。 電話は、いつも出ちゃ駄目だ。って言われてる、 お父さんの部屋の電話だったからだ。 目の前の電話が鳴っている。 3回・・4回・・・・5回・・ここで電話は鳴り止んで、 留守番電話に変わった。 『部屋に箱があるだろ』おじさんの声だ。 『中身を見てみな』ボクは言われるままに箱を開けた。 ・・・・・・中身は空だった。 『俺がどれだけ本気かわかるだろうよ。』 ボクは箱を押し戻した。 やっぱり、あのおじさんは悪者だったんだ。 ボクはふっと、気付いた。 『もっとも、気が変わったから』 おじさんの声が、 『中身が入るのはこれからだけどな』 後ろからも聞こえてる・・・・・ 振り返るボクの前に、 おじさんは笑いながら立っていた。 B! LINEへ送る - Part 14, 洒落怖