ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 16 > 盛り塩 2016/04/02 850 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/08/16 18:14 数年前の冬の出来事です。 当時学生で一人暮らしをしていた俺は、大学が冬休みとなり実家に帰省しました。 自分の部屋に荷物を置きに行ったのですが、その時、隣にある姉の部屋の入り口に、 盛り塩があることに気付きました。不思議に思った俺は、その日の遅く、勤務先で ある病院から帰宅した姉に、なぜ盛り塩などしているのかを尋ねました。 「やっぱり気になるよねー」と言いながら、姉は自室に俺を招き入れ、その理由を 話し始めました。 851 名前:850 投稿日:02/08/16 18:15 それはその日から6日前の夜中だったそうです。眠っていた姉は、なんとなく息 苦しさを感じ、目を覚ましました。すると、暖かい蒸しタオルの用な物が、なぜか 姉の首に押し付けられていました。寝ぼけていた姉は、「暖かくて気持ちいい」と 最初は思ったそうです。 しかし、意識がはっきりしてくると、そのタオルは人の手によって自分の首に押し 付けられている事に気付きました。押し付けているのは見ず知らずの中年の女性で した。 852 名前:850 投稿日:02/08/16 18:16 「寒いでしょう」 そう言いながら、タオルをさらに首に押し付けてきたそうです。しかも、その力は 徐々に強くなっていきました。その時、姉は自分が金縛り状態にある事にも気付き ました。 「苦しい、、このままでは、、何とかしないと、、」必死に体を動かそう、声を出 そうとした姉は、唯一そこだけは動かすことが出来た目で周りを見回しました。 すると、苦しむ姉が寝ているベッドの足もと付近を、3、4歳ぐらいの子供がパタ パタと走り回っていたそうです。 それを見た姉は、「この子供はもしかすると、この女性の子かもしれない」と思い、 ダメもとというか、やけくそというか、必死の思いで「やめて下さい!やめないと その子がどうなっても知らないわよ!」と、その女性に対して強く念じました。 すると、その女性も、子供も、すうーっと消えていき、タオルを押し付けられてい た首も解放されたそうです。 853 名前:850 投稿日:02/08/16 18:17 「それが3日間続いたのよ。」少し疲れたような表情で姉は言いました。聞いてい る俺は、ここがその現場で、つい数日前の事だと思うと、冬の寒さとは別の悪寒が、 背中から首筋へと走りました。姉の話はさらに続きます。 854 名前:850 投稿日:02/08/16 18:18 4日目の朝、姉は勤務先の病院に寝不足のまま出勤しました。姉の様子がおかし い事に気付いた同僚が、「具合悪そうね。どうしたの?」と声をかけてきます。 姉は不可思議なこの「蒸しタオル」の話を同僚に話しました。それが現在進行形で あるという事も。話を聞いたその同僚は、「この病院の別の病棟の職員で、その手 の事に強い人を知っている。」とのことで、その人、Aさんとします、を紹介して くれました。姉はAさんにも一部始終を話しました。 話を聞いたAさんは、「あなたが、その、タオルを押し付けてくる女性にも、パタ パタ走り回っている子供にも見覚えが無いのだとしたら、あなたの部屋がたまたま 霊の通り道になってしまったのかもしれない。だとすると、部屋に盛り塩をすれば、 それで出てこなくなるかもしれないわよ。」とのアドバイスをくれたそうです。 856 名前:850 投稿日:02/08/16 18:20 その日帰宅した姉は、Aさんに言われた通りに盛り塩をしてから床につきました。 盛り塩の効果はテキメンでした。姉は朝まで何にも邪魔されず、4日ぶりに熟睡で きたそうです。その日スッキリした気分で出勤した姉は、早速お礼と報告をするた めに、Aさんを訪ねました。 「おかげさまで、あの女性も、子供も、誰も来ませんでした。ありがとうございま した。」そう報告する姉にAさんは、苦笑いをしながらこう答えました。 「あたしの所へ来たわよ」 姉に盛り塩をさせたAさんの事を恨みに思い、「余計な事を教えやがって」という ことなのか、「蒸しタオル」の女性はAさんの家に現れたそうです。ただ、Aさん はその手のものを、ある程度寄せつけない力を持っているとの事で、家の中までは 入ってこられなかったそうです。ただ、一晩中「蒸しタオル」をAさんの家の壁や 窓に、 「びちゃっ べちゃっ」 と投げ付けていたそうです。Aさんは夜明け前、やっとその女性があきらめて消え るまでは寝るに寝られず、ほぼ徹夜になってしまったとの事でした。 「とにかく、あなたの所にはもう行かないと思うわ。」とAさんは言ってくれたそ うです。 858 名前:850 投稿日:02/08/16 18:21 これが盛り塩の理由でした。姉の部屋が霊の通り道になってしまったのなら、隣に ある俺の部屋も、、、話を聞き終えた俺はすぐに、塩を取るためにキッチンへと向 かいました。 その夜俺は、、、と言いたい所ですが、俺には何も起きませんでした。しかし、 何も無かったとは言え、恐怖の一夜だった事は間違いありません。 長文スマソ B! LINEへ送る - Part 16, 洒落怖