ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 20 > 肉の塊 2016/04/06 923 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/10/22 18:11 五歳くらいの出来事だったと思います。 確か季節は三月頃でした。私の家には、客間として使われている日本間があって、 お雛様の壇や、ロッキングチェアや子供の背丈くらいの黒い壷など、その頃の私 には、ドキドキするものが沢山ありました。 親に部屋を汚してはいけないから入るなと言われても、よく、弟とこっそり入って遊んでいました。 その日は、靴下を履いて、畳の上を、勢いをつけてすべる遊びを弟としていました。 何日か前に、家族でスケートに行ってから、その遊びが兄弟の中で流行っていたんですね。 思いっきりすべった時、勢いをつけすぎたのかバランスを崩して、私は転び、背中を畳に打ち付けました。 その時、床に転がった私の目と鼻の先に、赤いものがありました。 日本間の隅に置かれた大きな黒い壷と壁の間の、少しの隙間にあったそれは、挽き肉のかたまりのようでした。 ひっそりと、畳の上に落ちていました。 私の手より少し大きくて、赤黒く、ぬるぬるとしているように見えます。 細いみみずが百匹くらい集まって、丸まっているような姿です。何か、暖かい動物の臭いがしました。 子供だったからでしょうか、怖いとは思わず、私は触ってみようと手を伸ばしました。 924 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・投稿日:02/10/22 18:11 それは、どうやって動いたのか、今でもいくら思い出すたび考えてもわからな いのですが、ずず、ずるっ、としか言いようがない動き方をしました。壷の裏側、 私の死角にあっと言う間に消えてしまいました。 ほんの一、二秒の出来事でした。 転んだ私を見て「大丈夫?」と弟が言っている間でした。 弟に「へんなものがいた!」と言ったのですが、彼は見ていませんでした。 この話には後日談があります。 何日か後、部屋のひな壇を、ひなまつりが終わったので、祖母と母と私で片付けた時です。 一番左側の三人官女を箱に入れようとした時、首が取れて落ちました。 私の家のおひな様は、首がコルク栓のように出来ているので、珍しいことでは無か いのですが、その三人官女の首がとれた所から、暗い、からっぽな胴体の中を覗こ うとした時、生臭い匂いが鼻を刺しました。 胴体の空洞から出てくるその臭いは、先日見た、赤黒いものとよく似ていました。 祖母に「これ変な臭いがする。」と言うと、「カビが生えたかね」と言って笑って 普通に箱にしまうだけでした。 祖母は厳しい人だったので、入るなと言われていた部屋で遊んでいたことを言った ら怒られると思うと、私が見たものの話は出来ませんでした。 B! LINEへ送る - Part 20, 洒落怖