続き。4年程前、その子のお兄ちゃんの彼女が妊娠したのですが、お互いいつかは結婚したいと思いながら付き合っていたものの、当時兄は就職活動中、彼女も短大入学したてで、
「今は無理やよな」「まだ時期早いわな」と今回は見送りのようなあっさりした感じで中絶したらしいです。
その後、2人はうまくいかなくなり別れてしまいました。しばらくして、彼女は他の人と結婚したそうです。
そして最近その兄がこんな夢を見たのです。
公園で3歳くらいの女の子が一人でブランコを漕いでいる。兄は普段子供に話しかけたりしないが、ごく自然に
「お名前なんていうの?」と話しかけた。髪がサラサラして目の大きな可愛い子だった。真正面から兄を見上げると、
「みくちゃん。産まれてたらこうなってたの。」
と言って突然大きくブランコを漕ぎ出した。
ブランコは垂直の高さまで上がり、頂点で女の子はポーンと投げ出され、逆さ吊のようになったまま、空へ吸い込まれていった・・・。
その夢を見てからしばらくして、兄は昔の彼女に電話してみたそうです。
すると「実はおめでたで、今5ヶ月やねん」と。
とりあえずおめでとうを言い、男か女か聞くと、
「まだわからんねんけど、女の子やったら未来と書いて、みくにしたいねん」
と彼女は言ったそうです。
自分が中学くらいの時から女の子には絶対「みく」と付けたかったのだと。
兄が自分の見た夢の話をすると彼女は電話の向こうで黙りこんでしまいました。
結局、彼女は女の子が生まれたのですが、違う名前にしたそうです。
この話を聞いた時、怖いというより可哀相と思ったのですが、後でじわじわ怖くなってきました。