ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 1-10 > Part 5 > 赤ん坊 2016/03/19 283 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/24(木) 18:01 今年の夏、我ら遊び仲間9人で、2台の車に分乗して○○山の○○○○キャンプ場に向かっていた。 くねくね道から下を見ると、はるか下に岩だらけの清流が見え、皆の気分も自然と盛り上がっていた。 途中、特にほそい道に差し掛かった時、にわかに小さな渋滞が発生した。対向する2台のマイクロバスが、すれ違いに手間取っている様子だった。 この時、こちらの車より前を走っていた仲間の車は、他人の車を1台はさんで、2つ前に停車していた。 それを見て、こちらの仲間の一人が、ある異変に気が付いた。 「見ろよ。あいつらの車のボンネットで、赤ん坊がおむつを替えられてるぜ」 注目すると確かに、見知らぬ女性がどこからともなく現われ、仲間の車のボンネットに赤ちゃんを仰向け寝かせ、シモの世話をしているように見えた。 こちらの車内は爆笑のうず。 ケイタイでからかってやろうダイヤルしたが、圏外でもないのに、なぜか一向につながらなかった。 284 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/24(木) 18:03 そうこうするうちにバスが無事すれ違い、渋滞の列がすいすい動き始めた。 仲間の車も、何事もなかったかのようにスピードをあげ始めた。ボンネットの上に赤ん坊を載せたままなのに……。 当然、赤ん坊の母親が、血相を変えて猛ダッシュで仲間の車を追いかけ始めた。 よく見ると、彼女の足は素足で赤い血がにじんでいるように見えた。 再度、ケイタイで連絡しようとしたが、やはりつながらない。 気づくとスピードメーターがとっくに40キロをこえていた。 それでも、赤ん坊の母親は髪の毛を振り乱しながら仲間の車のギリギリのところで追いつこうとしている。 人間じゃない???? しばらくして、仲間の車が小さなトンネルをくぐり抜けた時、母親が、 「くそおーーーーーーー!!!!!」 と絶叫したあと、追うのをあきらめたようにゆっくりと立ち止まった。 次の瞬間、我らの車も母親を追い抜き、同時に振り返ってみたら、 一瞬で母親の姿はどこへともなく消え失せていた。 ほどなくしてキャンプ場に到着した。 先に着いた仲間の車のボンネットに、もはや赤ん坊の姿はなかった。 途中の道にも落ちてなかったはず……。 どうやら母親と同じように生きた人間ではなかったみたいだ。 我われは、仲間にくわしい事情を聞こうとしたが、じつはそれどころではなかった。 その車のステレオのスイッチを切っているにもかかわらず、スピーカーから、 かぼそい赤ん坊の泣き声が「ううぎゃ~うぎゃ~うううぎゃ~」といつまでも鳴りやまなかったのだ。 同乗の女の子たちは外でうずくまり、ヒステリーを起こして手がつけられない状態……。 このままではキャンプも不可能みたいだし、きゅうきょ別の道を選んで帰宅し、 そのままお開きとあいなった。 (泣き声がする車には男ばかりがすし詰めで乗った) その後、例の車の持ち主は、「まだ泣きやまない。恐くて一人では乗っていられない」といい、 近々、中古車として売り飛ばす予定だといった。 (これで恐怖が終わるのだろうか?) 皆さんのなかで、中古車を買う予定の人は、ステレオのスピーカーに 赤ん坊の泣き声がまじっていないかどうか、よく確かめたうえで買ったほうがいいだろう。 では! B! LINEへ送る - Part 5, 洒落怖