ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 21-30 > Part 24 > 鏡の中の話 2016/04/15 30 名前:一 投稿日:03/01/14 00:03 鏡の中の話だ。 小さい頃、俺は何時も鏡に向かって話し掛けていたという。 もちろん、俺自身にはハッキリとした記憶は無いが、親戚が集まるような 場面になると決まって誰かがその話を始める。 近所には同じ年くらいの子供が居なかったので、寂しくて鏡の自分に 語りかけていた。そういう事になっている。 事実は違っているが親や親戚に話せるはずも無い。 だから、ここに書いてみようと思う。他の板なら頭がオカシイと思われる だろう。でも、この板のこのスレッドなら平気だ。 俺はただ、誰かに話したかっただけで、相談に乗って欲しいわけじゃないし、 暇つぶしに読む人も居るかもしれない。どうせ誰にも解決できない。 小さい頃の記憶は曖昧なので書きようが無い。 はっきり鏡に人影らしきものが映るようになったのは、中学の頃だった。 昼も夜も無い。鏡を見ていると、俺の後ろに誰かが横切ったり、 誰かが覗き込んでいるような顔が映るようになった。 31 名前:二 投稿日:03/01/14 00:03 そうなると人の視線を感じたり、気配を感じるようになる。 落ち着けないし、深い眠りにつくことも出来なくなった。 気の所為かもしれないが、俺は自分の部屋から鏡を無くした。 それは一月程で消えた。すっかり見ることも無くなって忘れていた。 十年経って、俺は一人暮らしを始めた。 先週の事だ。夜中に車を運転していてルームミラーに目をやると、 そこに人の顔があった。急ブレーキで停車し、後部シートを振り返ったが 誰もいない。だが、ミラーの中の顔は消えずに俺を見ていた。 不思議なことに、前髪がミラーから生えてユラユラ揺れている。 やっと気がついた。 鏡に映っている訳じゃない。鏡の中から俺を見ていたんだと。 車をそこに置き、一時間かけて歩いて帰った。 今、テレビから這い出してくる貞子の映画を思い出している。 正直言って正気でいる自信が無い。 B! LINEへ送る - Part 24, 洒落怖