ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 18 > 雪山の遭難 2016/04/04 387 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:11 この話は去年、スノボーで雪山へ行った人の話です。 実際山で吹雪かれたりすると、全くもって不安な気持ちになりますが 私たち四人の男女はまさにそんな状況に陥りました。 ブリザードを避けようと、大木の陰に一塊りなった私たちは 吹雪がやむのを重い沈黙の中、待つだけでした。 389 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:20 暫しの沈黙の後、友人Kが口を開きました。 「この様子だと、やみそうにないな・・・・」 そんなKに、雪山での遭難なんか想像したこともない私は 楽観的に言いました。 「平気だよ、ゲレンデからそう離れていないし・・・ほら、携帯 だって持ってきた」 「電話してよ。私怖い・・・」 そう言って不安な眼差しを向けたM子は、連れのT美にしがみついた。 この2人、実はナンパしたばかりの女の子達である。 最悪の出会いになった。「わかった」幸い電波は通じていた。 電話の向こうでその場を動かないようにと執拗に言い含められた。 「すぐにレスキュー隊が来るって」 390 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:21 それからたぶん十五分後、突然私の携帯が鳴りだし、止んだ。 391 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:25 「何・今の?」 「わからない。非通知だ」 「こんな時に間違い電話かよ!」 そしてさらに15分くらい経った。 「遅くない?」 「落ち着けよ。こんな状況じゃ探すのだって大変だ」 そうはいうものの、浸食してくる冷え込みはいや増すばかりであった。 その時! 392 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:26 「おおーーーい!おおーーい!」 人の声が聞こえてきた。 394 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:28 「助けに来た!」 「おおおーーい!ここだーーー!おおおーい!」 一同は胸をなで下ろした。助かったと・・・ 「あれ?」 396 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:32 Kが不信な声をあげた。 「何か声が遠くなってないか?」 「吹雪で声の出所がわからないんじゃないか?」 「うそだろ?!」 私たちは声をあらん限りの叫んだ。 しかし、助けの声はいまや聞こえなくなり聞こえるのは吹雪く 風の音だけであった。 399 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:44 「おい!もう一度携帯を・・・」 Kが言うよりも先に電話を試みた私は、声もなく首を振った。 「圏外になってる・・・」 「もう限界!あたし行くからね!!」 突然M子は立ち上がったかと思うと、吹雪のなかを走り出した。 「おい!待てよ!!」 止めようとしたKだったが、足が雪にとられ転倒した。 「M子!!」 T美が狂った用に叫ぶ中、私はM子の後を追った。 はっきり言って最悪の事態だった。 下手をすれば全員死んでしまうかもしれない。 そう思いながらM子のちらほら見える後ろ姿を追う。 しかし、彼女の足は存外の速く、その姿はしばしば吹雪に遮られる。 「止まれ!死んじまうぞ!!」 そう叫びながら追う私は、ふと奇妙なことに気付いた。 彼女の足取りは迷うことなく何処かを目指しているようだ。 「おい!待てって!!!」 彼女の姿を完全に見失った。 400 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:48 やばい。 彼女だけじゃない。 私自身危険なことに変わりはない。 「くそっ!!」 とにかく戻ろうにも道なんかわからない。 自暴自棄になりかけた瞬間、かすかに声が聞こえた。 「おおおーい!!おおおーい!!!」 助けが来た!! 401 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:55 私は今度は間違いなく声のするほうへにじり寄って行った。 レスキュー隊にこっぴどくしかられた私は、私より先に救助された Kのもとにむかった。 「T美は?」 苦笑いの私にKは苦笑いを返した。 「怒って帰っちまった・・・」 「で、M子は?」 「・・・病院だ」 「・・・」 「崖から落ちたらしい・・・」 声もなくうなだれる私達を突然の電子音が驚かせた。 「なんだよ」 「メールだ」 私はそのメールを見てまさしく凍り付いた。 402 名前:享極 投稿日:02/09/01 23:56 「・・・いつまで待たせるの?」 B! LINEへ送る - Part 18, 洒落怖 山