ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 16 > 黒い影 2016/04/02 911 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/08/17 17:51 大学の先輩が、いつか酒の席で聞かせてくれた話です。 先輩のお母さんは、まだ先輩が赤ん坊の時に離婚してから、ひとりで先輩を育ててきました。 お金がないので保育園にもやれず、先輩は一人で家に置き去りのままだったそうです。 ある日お母さんが早退けして家へ帰ってくると、先輩が誰かと話す声がします。 驚いて子供を見ると、先輩はひとりで空中に話しかけ、相づちを打っていたのだそうです。 先輩はそのころのことをよく覚えていないそうですが、物心ついたときから「黒い影のようなもの」が自分の周りにいることはわかっていたそうです。 「黒い影」は幼い先輩の友達であり、親代わりのような存在でした。 先輩が一人になると、「黒い影」は先輩に優しい言葉をかけ、一緒に遊んでくれました。 先輩は幼な心に「黒い影」のことをお父さんと思っていたそうです。 (もちろん、本当のお父さんは違うところにいます) 不審に思ったお母さんが四六時中先輩を見張るようになると、「黒い影」は姿を消しました。 今でも時どき身の回りに「黒い影」の気配を感じる、と先輩は言います。 ベッドの下やドアの陰に「黒い影」は隠れていて、少し寂しそうに笑っているのだそうです。 B! LINEへ送る - Part 16, 洒落怖