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ネオコスモス団

   

986本当にあった怖い名無し age 2011/03/17(木) 19:56:34.44 ID:S3BG5YLD0

おそらく、ほとんどの方が聞き覚えのない事件だと思う。

これはあまりにも忌まわしい事件なので、こうやってホラー感覚で投稿するのは気が引けたのですが、どうしてもこうやって文字にして残さないと気が済まないので投稿致しました。

事の始まりは2009年の6、7月頃でしたでしょうか。私がまだ大手SNSサイトGR○Eに登録していたときの話です。

ある時私の元にSNS機能を通して一通のメールが届きました。そのメールには

「私と一緒に新しい世界を創造しませんか?」

とあった。

常識的に考えればアホみたいなことだが、その時の私は資格試験のための勉強からも解放され、非常に暇をもてあましていたので、興味本位で返信してしまった。

メールを送ってきたのはVと名乗る人物で、超能力者を自称していた。 自分には人を操る力があると豪語していた。

私はバカバカしいと思う一方で、このVという人物がなにか凄いことをしでかしてくれるのではないかという子ども染みた期待感を彼(彼女)に対して持っていたことは事実だと思う。


988本当にあった怖い名無し age 2011/03/17(木) 20:00:46.72 ID:S3BG5YLD0


Vは、そのカリスマ性ゆえか、次々と自らに惹かれる人々を集め、ついには「ネオコスモス団」という集団を結成した。私は古参だったせいか、幹部に任命された。そして、ついにはGR○Eから飛び出し、ホームページまで作りだした。

ネオコスモス団のホームページの項目には、ネオコスモス団の理念があった。そこには、

人類の革新によって、新世界を創造する

と載ってあった。


その後もネオコスモス団は拡大を続け、ついに団員数は1000人を突破するまでになった。 私は行ったことはないが、バーチャルではなく現実の世界での団員同士のコンタクトも頻繁にあったらしい。 虚像が現実になったとでも言うべきか。


ネオコスモス団の勢いをとどまることを知らず、ついには結成集会を現実世界で開催したようであった。 しかしその理念・目的は、人類の革新、新世界の創造、という漠然としたもののままであった。

私は次第にネオコスモス団という集団が、教組であるVを崇拝するためだけのカルトなのではないかと思えてきた。その疑念から湧きあがる恐怖から逃れるため、私はネオコスモス団から脱退しようと考えた。


990本当にあった怖い名無し age 2011/03/17(木) 20:06:17.65 ID:S3BG5YLD0


しかし、ことはそう簡単ではなかった。当然だ。 古参幹部の脱退など許してしまえば、団員にある種の疑念を持たせてしまうことになるからである。


予想通りVは私の脱退を許さなかった。そこで私は、自分のメールアドレスや携帯の番号を変更し、ネオコスモス団から事実上逃亡することにした。


それ以降、ネオコスモス団関係の者から私のもとに連絡がくることはなかった。 Vと出会う以前の日常に戻ったのだ。
いや、厳密にいうと一度だけ、私の自宅に直接連絡がきたことがある。 ちょうどそのとき私は家を留守にしていたので、留守電にメッセージが残っていただけなのだが、それはV本人からのものだった。そしてそれには、こう残っていた。

「お久ぶりです。別にボクはあなたがいなくなったことについてあれこれ問い詰めるつもりはありません。 おそらく僕の声があなたの耳に届くのはこれが最期になるでしょう。
ですが、これだけは覚えておいてください。 あなたという存在は、決してあなたによって定義付けされることはないのです。 もしこの世界にあなたという人間しか存在しなかったら、果たしてあなたという人間は存在するといえるのでしょうか」

Vの声を聞いた私は一瞬冷やりとしたが、すぐに馬鹿らしいと思ってその場で笑ってやった。


991本当にあった怖い名無し age 2011/03/17(木) 20:09:26.80 ID:S3BG5YLD0

それからしばらくたって、私はふと「ネオコスモス団」という単語でGoogle検索してみることにした。


ネオコスモス団のホームページはあとかたもなく消滅していた。

しかし、一件だけ「ネオコスモス団」という単語がヒットするブログ(?)があった。 たぶん、今でもGoogle検索すればそのブログが出てくると思う。

そのブログをのぞいてみると、どうやらそのブログはネオコスモス団の元団員によって書かれたブログであることがわかった。しかしネオコスモス団について書かれていることはそう多くなかった。

だが、ひとつだけ、たったひとつだけ、私を驚愕させることが書いてあった。私はすぐにVが私の留守電に残していた言葉の意味を察した。


私が文字として残したいことは以上だ。

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