ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 21-30 > Part 27 > 二段ベッド 2016/04/18 707 名前:陸自(現職) 投稿日:03/02/16 21:41 ある日、警衛(駐屯地の警備)勤務についていました。 その時の編成は自分の所属する中隊ではなく、各中隊からの混成でした。 あっという間に昼のシフトが終わり、夜間のシフトに移行しました。 深夜十二時頃を過ぎると、さすがに駐屯地中が静けさに包まれました。 勤務も単調になったとき、ある中隊の若い隊員(山井:仮名)が口を開きました。 「俺、今度の満期で辞めるんですよ」 この言葉から始まった会話は、深夜にもかかわらず、結構盛り上がりました。 何とはなしに彼が入隊した時の事に、話は及びました。 そこで、「とんでもない目に遭った!」というのです。 つづく 708 名前:陸自(現職) 投稿日:03/02/16 21:41 彼は入隊後の教育終了と同時に、北海道のある部隊に配属されました。 着隊して部屋に案内され、自分のベットを示されたとき、アレ?と思ったそうです。 それは、シングルベッドが、ずらりと並ぶ中で自分のベッドだけ二段ベッドなのです。 しかも、下が空いているにもかかわらず、上の段で寝るように言われたそうです。 その時は、「ああ、たぶん教育か何かで、長期不在の人がいるんだろうな」くらいに しか思わず、さして気にも留めなかったそうです。 しばらく経つと、職場の雰囲気にも慣れてきたので、自分の下の段に寝ている人の事を 訊ねてみました。すると、奇妙な事に誰のベッドでも無い、と言うのです。 「じゃあ、下で寝かせて下さいよ」と、彼が申し出ると「いいから上で寝ろ」の一点張り。 イジメにしては何だか様子がおかしいとは思いながらも、仕方なく上で寝たそうです。 つづく 709 名前:陸自(現職) 投稿日:03/02/16 21:41 そんなある日の夜の事でした。 夜中に彼は息苦しさで目を覚ましたそうです。 すると、ベッドのすぐ脇に誰かが立っていたそうです。しかし、消灯後とはいえ 薄明るい室内にもかかわらず、その人物は黒い塊のようで一切、顔が見えなかったそうです。 「なんだ?」と思っているのも束の間、その影がいきなり首をしめてきて、彼にこう言うのです。 「やまいぃ~、やまいぃ~、俺の頼みを聞いてくれぇ~」と。 首を絞められて、苦しさにもがく彼は(なにが聞いてくれじゃ。こんな事しやがって)と声に ならない叫びをあげたそうです。すると、その黒い影は前にも増して迫ってきたそうです。 さすがの彼も、これはたまらんと思ったらしく声に出して「イヤじゃ。誰がきくか!」と 叫んだそうです。すると、その影は寂しそうに消えていったそうです。 つづく 710 名前:陸自(現職) 投稿日:03/02/16 21:41 次の日、これはただ事ではないと同じ部屋の者に問いただしてみましたが、一切、口をつぐんで 喋りません。すると、見兼ねた同じ中隊の違う部屋の先輩が、事の真相を教えてくれたそうです。 実は、彼が着隊する半年ほど前に、失恋を苦にして青函連絡船から身を投げた者がいて、その 人が使っていたベッドが、まさに、この二段ベッドの下だったとの事でした。 最初はシングルだったのだが、あまりに怪奇現象が起こるのでやむなく、二段にしたとの事でした。 しゃれにならんほど怖かったそうです。 長文、乱文スミマセン B! LINEへ送る - Part 27, 洒落怖