洒落怖超まとめ

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何勘違いしてんだ

   

540 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/02/14 19:50
すごく恐いかは、わかりませんが、一昨年の夏に友人と体験したことです。
私は、体験した本人として、恐ろしくてしょうがないので、誰かに聞いて
ほしいんです。

一昨年の夏、大学が夏休みになったので、同じゼミの男友達A、Bと私の
3にんでAの実家に遊びにいくことになりました。Aの実家は東北の岩手県で
大学からは、少し遠いので、2泊3日の予定で、岩手を観光する予定でした。

Aの実家はかなりの田舎でした。近くにきれいな小川があったので、到着した
その日は、釣りをしてすごしました。 そして、その日の夜、Aの知り合いの
地元の女の子2人と、庭先で花火をしたあと、Aが「肝試ししよう」と言いだし
ました。 Aの話によると、Aの家から車で40分ほどいった山の中に、
以前飛行機が落ちて、かなりの死者が出たと場所がある、とのことでした。

わたしは、そのとき「え~? 岩手で飛行機落ちたなんて、聞いたことないよ}
と、Aの話を冗談だと思いました(後で本当にあった事件だとわかるのですが)
わたしは、最初は行く気がしませんでしたが、2人の女の子が、恐がりなが
らも、賛成した様子だったので、嫌とは言えず、行くことに賛成しました。
Aは、このときは「せっかく何もない自分の実家に来てくれたんだから、
なにか楽しませよう」という気持ちだったそうです。

(続き書いてもいいですか?)

546 名前: 540の続きです。 04/02/14 20:15
Aの運転する車に乗って、町道を抜けて、街灯が全くない、山に入り込んでいく
林道を20分ほど進みました。そこで車止めに車を止めたAは、「この先を
ちょっと歩いて行ったところだよ」と言います。
車から降りたわたしとBはそれぞれ懐中電灯とヘッドライトを持ち、林道の
脇の幅2メートルくらいの舗装されていない、小道に入っていこうとしました。

現場に着くまでは乗り気だった2人の女の子は、着いたのが思った以上に山の
中だったので、特に1人の女の子が恐がりだし、結局、もう1人が面倒を見て、
車に残り、A,Bとわたしの3人だけで山に入ることになりました。
私達3人は、野外での調査が中心の生物系のゼミなので、ライトさえあれば、
舗装されていない山道でも、慣れていました。

山道を歩いている途中、Aは「自衛隊の飛行機と民間機が空中衝突して、そのまま
バラバラになって落ちたんだ。近所の人が残骸の回収を手伝ったらしいけど、
人の体の部分とかが木に引っ掛かってたりしてたらしいよ」と話しました。

その話が恐かったせいか、Bは「おれちょっとションベン」と言って、道の脇の
小川が流れる小さなくぼみのほうへ降りて行きました。
その時、Aが黙ってわたしの袖を引っ張り、道の反対側の木の陰を指さしています。
「隠れて、帰ってきたら驚かそう」ということです。わたしも笑いを押し殺しな
がら、懐中電灯を消して、木の陰に隠れました。

550 名前: 546の続きです。 04/02/14 20:33
そして、ようをたしたBがくぼみから上がってきました。
Bは「あれ? なんだよ! 隠れたの?!」と多少混乱した様子です。 Bは
ヘッドライトをつけていたので、その明るさがあるぶん、落ち着いている
ようです。 それでも、かなり恐いのか「おい!ふざけんなって! でてこいよ!」
と大きな声で怒鳴っています。

Bが次第にキレてきたので、Aとわたしは「出ていくか?」と思い、出ていこうと
したときです。
「なんだよ、そんなとこにいたのかよ!」とBが言います。 「あ、ばれた」と
思い、わたしが懐中電灯をつけて出ていこうとしたところ、Bが道の先にある
茂みに向かってどんどん歩いていきます。 そして、茂みをかき分け、Bはどん
どん私達とは関係ない方向に進んでいくのです。

「ははは、あいつ馬鹿じゃねーの? 何勘違いしてんだ? ハハハ」とAと
わたしは、最初笑いをかみ殺していましたが、Bが人間の身長とほぼ同じくらい
の笹ヤブをかきわけて、Bのヘッドライトの明かりが、笹の間から見えるように
なると、笑ってはいられなくなりました。

Bが進んでいるのは、密集した笹ヤブです。例え、昼間であっても、その先に
私達がいても、絶対に見えるわけがありません。 何か変だと気付きました。
そうです、この時点で、何かおかしかったんです。

558 名前: 550の続きです。 04/02/14 21:02
Aとわたしは、隠れていた木の陰から出て、ヘッドライトの明かりがもれてくる
笹ヤブに向かって走りました。そして、明かりの方向に向かって笹ヤブをかき
わけました。密集した笹が引っ掛かり、なかなか進めいないのをもどかしく
感じます。 もちろん、Aもわたしも「おい、B! 違うって!」と大声で
叫びながらですが、Bは進んでいくのです。

Aがわたしより先にBに追いつきBに声をかけました。でも、聞こえてくる会話が
要領をえません。わたしも必死に追いつき「B! お前何やってんだよ!!」と
怒鳴りつけました。 Bはきょとんとして「いや、おまえらこっちにいただろ?」
と聞き返す始末です。 しかもBの手は、素手で笹をかき分けたため、血まみれ
でした(わたしとAも手と顔を切っていました)

「とにかく帰るぞ!」Aが言い、わたしもBも笹ヤブから急いで抜けだし、来た道
を、何度も転びながら、それでも走って駆け下りました。
車にたどり着いたときは、3人とも土まみれでした。驚く女の子達に「後から話す
から」とだけ答え、Aは傷だらけの手でハンドルを握り、Aの家まで帰りました。
帰りの車では、誰も話をしませんでした。

Aの家につき、Bから話を聞こうとしました。でも、この時点で、Bは自分が
何をしたのか、だいたいわかっているようで、ものすごくふるえていました。
「お前達がいたんだって! 笹ヤブなんかじゃねーよ! 道だったって!
こっち来い、ってお前らが手ふってたんだよ! 後は知らねーって」
Bはこれだけを話していました。

559 名前: 558の続きです。 04/02/14 21:04
帰ってきた私達の様子が普通じゃないことに気付いたAの母親に、笹ヤブのことは
話さず、「肝試しにいった」ということだけ話すと、Aの母親は厳しい顔をして、
「馬鹿にしたり笑ったりしちゃ、駄目なものもあるんだ」といって、庭に生えて
いた松のような棘のある木の枝で私たち3人をしばらく叩いてくれました。
「おまじないだから」とAの母はいっていました。

その後、変わったことはありませんが、今でも、山にいくと、この時のことが
思い出されて、恐くなるときがあります。
もう、死人を馬鹿にするようなことは、絶対にしません。

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