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侵入者

   

599本当にあった怖い名無し sage 2008/10/20(月) 20:00:42 ID:0cqyUzzN0

高校を卒業し、他県に就職した俺は
実家に居るのが嫌で、独身寮jを希望した。
しかし、一人暮らしに憧れた俺は上司の一言で失望する。
「半年は先輩と同居しろ」・・・・。
無口で無粋な先輩が苦手だった俺は、窮屈な毎日を送る事となる。
まったく趣味の違う先輩のやる事なす事がイライラの種。
存在そのものが不愉快だったが、唯一の楽しみが給料日だった。
その日は先輩が着飾って繁華街へ消える日なのだ。
深夜まで帰ってこないので、俺は自由に出来る。
俺は好きなテレビを見て好きな物を食い有意義に過ごした。

その日の深夜、俺は物音で目が覚めた。
先輩が帰ってきたのだな・・・・と思い再び眠りについた・・・・・が・・・
隣の玄関続きのキッチンから何とも言えない声が聞こえるのだ。
耳を澄ますと何やら怒っている様な・・・・・。
俺はとたんに恐怖に駆られた。
先輩はすでに帰って隣の部屋で寝息を立てている。
しかし、不気味な声はますます大きくなり、しまいにはドスドス音がし出す。
いったい何の音だ???
誰かいるのか?誰がいるんだ?何をやってるんだ!?!?!

601本当にあった怖い名無し sage 2008/10/20(月) 20:02:07 ID:0cqyUzzN0

俺は恐怖の極致に達したが、勇気を振り絞ってキッチンの扉をゆっくりと開けた。
まぶしい明かりがまぶしく感じた。
そこにいたのは、額から血を流し泥酔した見知らぬオッサン・・・・。
流しの下の扉を開け、酒を探しているようだった。
扉には包丁が刺さっているので、下手に逆上させたら刺されかねない。
俺は心臓が張り裂けそうになりながらも、とっさにそう判断したので
静かにオッサン見守った。いや、凍り付いていたのだろう・・・。

やがて物音に気づいた先輩がやってきて、その光景に驚きながらも
冷静にオッサンに注意し、出て行ってもらった。
あまりの出来事に二人ともしばらく放心状態だった。
どうも先輩は寮に帰ってきたが、戸締りせずに寝てしまったらしいのだ。

しかし、頭から血を流した見知らぬオッサンが、深夜に自分の部屋で
酒を探しながら騒いでいたなんて・・・・。
未だにあのときの恐怖は忘れられない。

602ID変わってるけど601 sage 2008/10/20(月) 20:31:28 ID:QUc6VVki0 ・・・最後

そのまま放心状態の二人だったんだけど、緊張が解けたのか顔を見合わせて大笑い。
勢い込んで話し込んでいるうちに、なんだかお互いのわだかまり(壁?)が取れた。
んで、分かったんだが、めかし込んで出かけていたのは、実は女装バー。
内心、「うわ・・・マジか」と激しく引いていたのだが、そんな雰囲気を察したのかどうか
「写真見る?百聞は一見にしかずかもよ」と、返事も待たずに携帯の画像を見せ始めた。
おぞましいものを見せるんじゃねーよ・・・と、いやいや見てたはずなのに・・・

今度の給料日は、新しいブラウス買ってあげよう・・・ 喜ぶかな・・・エヘッ!

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