洒落怖超まとめ

厳選じゃない、完全網羅のまとめサイトを目指しています

   

膝の骨が砕けて病院に入院していたときの話。
その夜はなんだか足がズキズキするので眠れずベッドでゴロゴロしていた。
しばらくすると病室のすぐ前のナースの待機室みたいなとこがやけに騒々しいので
なんだろうと思ってじっと見ていた。いつまで経ってもうるさいのでトイレに行くついでに
何してるのか確かめてみようと病室を出てみるとナースの待機室に人が誰もいない。
「どうなってんだ・・・。」と思ってふとトイレのある右側を見ると――
何かがいる。
黒いモヤモヤした奴がこっちを向いて突っ立っている。
そしてまるで滑るように近づいてくる。
「やばい!」と思って俺はすぐに逃げ出した。
松葉杖もかなぐり捨て必死で逃げた。
だがそいつは異常なスピードでグングン近づいてくる。
このとき気づいたのだが「そいつ」には目も口も鼻もない。
何もないのだ。
ただ人の形をしているだけ。
あとは全て真っ黒。 そして、そいつは俺に追いついた。
俺は地面に力なく座り込んだ。
「そいつ」が何もない顔を近づけてきた。
もうだめだと思って顔を手で覆った次の瞬間――
すぐそこは天井だった。
どうやら夢だったようで、体は汗ビッショリだった。
「夢かよ・・・。」と安堵感から少し笑いさえ出てきそうになった時である。
ガクン!と急に体が沈んだ。
自分の体を見てみると、ベッドの両脇から出たまるで蜘蛛の足のような
巨大な「手」が両脇から体を下に引っ張っていた。
俺はどうすることもできず、ズブズブと体をベッドの中へと持っていかれた。
「やべえ、連れてかれる!!」と思ったその時(自分でもなぜ連れてかれると思ったのかは分からないが)
目が覚めて目の前には天井があった。
そして時はもう朝となっていた・・・。

 - Part 102, 洒落怖