洒落怖超まとめ

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幼い生霊

   

343341 sage 2011/01/31(月) 18:56:00 ID:u2/av3K90

俺は霊とかそういうものは信じていないんだけど、
霊感だけはあるらしくて、結構いろいろなものをみてしまう。

自分の中では、あーまた幻覚見えちゃった。霊なんていないいないよ!
ってことで無理やり自分を納得させてんだけど……。

これはそんな俺が最初で最後、生き霊らしきものを見てしまったお話。

345341 sage 2011/01/31(月) 18:56:53 ID:u2/av3K90

俺は昔、西日本にある、とある大都市で、妻と二人で暮らしていた。
電車で10分くらい離れたところに妻の姉夫婦も暮らしていた。
義理の姉夫婦には男の子と女の子の子供が一人ずついたから、週末にはよく一緒に遊んだりしてたんだ。
当時、下の女の子は3歳くらいだったと思う。

しかし義姉の夫って人が実はひどいやつで、人前では普通に紳士的なんだけど、 家庭ではDVを繰り返していたらしい。
驚いたことに、義姉だけではなく
まだ小さな子供たちに暴力をふるうこともあったらしいんだ。

そんな生活が続いているうちに義姉が夫のもとを飛び出した。
下の3歳の娘は遠く離れた実家に預けて、
上の息子と二人で、俺と妻の暮らすマンションに転がり込んできたんだ。
そして奇妙な4人生活がしばらく続いたわけなんだが、
その時に俺は生き霊らしきものを見てしまった……。

347341 sage 2011/01/31(月) 18:59:11 ID:u2/av3K90

当時は夫婦二人だったので狭いマンションに暮らしていた。
ちょっとイメージしにくいかもしんないけど、
俺と妻がふすまに頭を向けてならんで寝ていて、
ふすまで仕切られた奥の部屋に、義姉とその息子が寝ていた。

俺が霊らしきものを見てしまうのは、金縛りにあっているときが一番多い。
金縛りにあっているときに見える奴らは、大体上半身だけだったり、
顔や手だけ出てくるとか、とにかく全身がはっきり見えることはほとんどない。

そしてある夜、俺はまた金縛りにあった。
あーまた金縛りだ嫌だなと思ったら、足元からウーッだのフーッだの、人間の鼻息?
あるいは、動物が威嚇している時のような変な音が聞こえてきた。
あーこれはまた幻聴かな?俺も疲れてるんだなとか思って、
金縛りで体は動かないんだけど、なんとか首と眼だけを必死で傾けて、
音のする足元の方向をのぞいてみた。

349341 sage 2011/01/31(月) 19:00:54 ID:u2/av3K90

するとそこに、足と手をふんばって仁王立ちの様にたっている3歳くらいの女の子がいたんだ。
顔の表情だけがつぶれていてよく見えないんだけど、怒って泣いているというのだけはよくわかった。

どんな表情だったかを説明するのは難しいが、
小学生の時、体育館で「おこりじぞう」という原爆関連の映画をみたことがある。
あの表情は、例えていうなら、「おこりじぞう」が怒った顔にそっくりだった。

今思い出してもゾッとするほどその存在は怖かった。
俺が普段みる霊のようなものは、なんとなくあいまいな存在で、明らかな実体をともなったものではない。
だから霊を見たとしても、「この霊に殺されるかも……」というような
恐怖を感じることはあまりない。
351341 sage 2011/01/31(月) 19:02:21 ID:u2/av3K90

しかしあのとき見えたものは、なんというか、ただの幻覚ではなく、
その体重や鼻息、体温まではっきりと五感で感じることができて、
踏ん張ってる手足の血管の一本一本まではっきりと見えるような
圧倒的な存在感を持って俺に迫ってきたんだ。
俺は生まれて初めて、「こいつに殺されるかもしれない!」
という強い恐怖を感じた。

体は動かず、とにかくもう目をつぶって、
「ごめんなさいごめんなさい」とずっと唱えていた。
ずっと前に亡くなった祖母を思い、「ばあちゃん助けて……」
とも唱えた。

とても怖かったけどどうも様子がおかしい。
どうも奴のターゲットは、俺じゃないようだ。
奴は俺の足元に立って、俺の頭の方を見ていたが、俺の頭を越えて、
ふすまの方をずっと見ていたみたいなんだ。
(ふすまの向こうには義姉が寝ている)

「あれっ?俺はひょっとして関係ないのかな?助かるのかな?」
と思った瞬間、すーっと体が楽になった。
あわててとび起きて妻をたたき起し、隣で寝ている義姉と甥っ子もたたき起してもらった。


353341 sage 2011/01/31(月) 19:03:36 ID:u2/av3K90

二人とも特に異常なくほっとする。
甥っ子はにぶい奴なので、起こした5秒後には、また爆睡していたが、
義姉が「夢見てた。○○ちゃん(義姉の娘の名前)が泣いてた」と……。
ここで初めて俺は、「あれは○○ちゃんの生き霊だったのかな」と思った。
義姉に遠慮してそんなことは自分から言い出せなかったが、
妻の方が先にピンときたようで、深夜にも関わらず、姪っ子を預けている実家に慌てて電話した。

「なにも異常ないわよ。すやすや寝ているわよ。」との、
義母からの迷惑そうなありがたいお言葉。
そして一同ほっと胸をなでおろしたというお話。

354341 sage 2011/01/31(月) 19:04:31 ID:u2/av3K90

俺は霊とか馬鹿馬鹿しいから絶対信じないようにしていて、
怖いと思ったこともあまりないんだけど、あのとき見てしまった「存在」については、
今思い出してもゾッとします。

生き霊とかそういう話も信じたくないけど、妻と義姉はわりとそういうのを信じるタイプ。
義姉はその後、慌てて姪っ子を実家に迎えに行ったが、特になんの異常もなかったです。

その姪っ子も今ではすっかり大きくなって、
母親がいないからとさびしがるような年齢ではなくなりました。
姪っ子にはこの話は誰もしていません。

生き霊といっても恨みつらみがどうこうという話ではないので、あまり怖くない話だったかもしれません。
個人的には凄く怖い経験だったので投稿させて頂きました。
長文読んで頂いて感謝です。

355341 sage 2011/01/31(月) 19:05:40 ID:u2/av3K90

実はこの話には後日談?というか追加すべき話があります。
やはり姪っ子が3歳だった頃、某西日本で凄惨な電車事故がありました。
うちの義姉、あの電車にあわや乗るところだったんですけど、
姪っ子が突然ぐずったおかげで電車を乗り過ごし、
助かっているんですよ。
やっぱり3歳くらいの幼児って、
大人にはわからない能力をもっているのかもしれませんね……。
まあそんな姪っ子も今ではすっかり大きくなって、
おじちゃんとは全然遊んでくれないですけど(涙)

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