洒落怖超まとめ

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憑いてきた女の子

   

801本当にあった怖い名無し sage 2008/04/10(木) 00:13:31 ID:Mgwuv8SGO

回りは誰も俺の話を信じてくれないけど、
オカ板なら信じてくれる人いるかも知れないんで書きます。

俺は昔からかなり霊が見えるほうで、
夜や昼間とかも関係なく見えてしまう。

時には生きてる人と区別がつかないくらいハッキリ見えることもあるんだ。


先日も駅のホームで電車を待ってる時に
真冬なのにノースリーブの女の子がいたんで
あれ?と思い見ていると、
通過列車がホームに近付いて来たらフラッと線路の方に歩いていって電車に吸い込まれて消えてしまった。
多分ここで自殺した子の霊だったんだと思う。

で、ここからが本題なんだが、この前近所の河川敷の公園でベンチに座ってボ~っとしてたんだ。

ふと気付くといつの間にか目の前に小学校低学年くらいの女の子が立っていた。
普段なら気付いてないふりしてるんだが、なんとなく『こんにちは』って声をかけてしまった。
その子は周りを見回して近くに自分以外に誰もいないのを確認してビックリしたように自分を指差した。
俺は頷きながら、もう一度『こんにちは、何してるの?』って聞いてみた。
その子は驚きながらも、

807本当にあった怖い名無し sage 2008/04/10(木) 00:25:34 ID:Mgwuv8SGO

『誰も遊んでくれないから一人で遊んでるんだ』
って寂しそうに言った。
確かに誰とも遊べないだろなぁと思い、可哀想なんで少し一緒に遊ぶことにした。
滑り台や鉄棒、ジャングルジムで遊んでたらいつの間にか日も暮れてかけて寒くなったんで、
『もうそろそろ帰るよ、またね』と言うとその子は
『もっと遊ぼう』と悲しそうに言った。
寒くなってきたので早く帰りたい。
けど、あまりに悲しそうにしてるからほって帰るのも可哀想。
その娘から何も嫌な気配を感じなかったのでつい、『いたずらしないなら家まで憑いてきていいよ』って言ってしまった。

今考えるとこれが最大の間違いだったわ。

俺の住んでるとこは築25年くらいの2階建てのボロアパートで、
1階に4部屋、2階に4部屋ある。
俺が引っ越して来た3年前は全ての部屋に住人がいたが、

809本当にあった怖い名無し sage 2008/04/10(木) 00:29:53 ID:Mgwuv8SGO

今では1階の一番手前道路よりの部屋と2階の一番奥の俺との二人だけになってしまった。
時々俺が憑いたまま帰ってくるので、その霊やそれに引き寄せられた霊が
他の部屋にまで霊障を起こすみたいで、怖がってみんな出ていった。
新たに引っ越して来てもすぐに何かがいるって出て行くので、
今はほとんどが空部屋だ。

1階の住人は水商売らしく、いつも夜中にいないから被害がないのかもしれない。


部屋に着いた俺はテレビを見たり、ゲームをしていた。
その間その子は部屋の中で上を見上げながらグルグル回ったり
、部屋から部屋へ移動したりと落ち着かない様子だった。

何かな?
と気になりつつ、夜も更けて来たので俺はもう寝ようと布団に入り電灯を消した。

部屋を暗くして眠りに落ちかけていたその時、

810本当にあった怖い名無し sage 2008/04/10(木) 00:35:00 ID:Mgwuv8SGO

ミシリ…、ミシリ…
とゆっくり階段を登ってくるような足音

2階には俺しかすんでないから他の住人ではないし、
もちろんこんな時間にアポなしで訪ねてくる知り合いもいない。

この子に引寄せられてきたのかなぁと思ってたら、

次第に嗚咽する女の泣き声と
押し殺したような男の声が聞こえだした。

女の子を見ると枕元に座ったまま瞬きもせずに眼を見開いて
涙を流しながらジッと俺を見ている。

なんかヤバいの憑れて来てしまったかもと思った時
背中にゾクッと悪寒が走る。
誰かに見られているような感じがする。
視線を感じる先を見ると、いつの間にか少し開いた台所の窓から複数の眼が俺を見つめている。

俺は心臓を鷲掴みされたような恐怖で、布団の中で動けずにいた。

暫くすると カチャ…
カチャ…っとノブを回す音がして
玄関のドアがスーッと開いていった。


816本当にあった怖い名無し sage 2008/04/10(木) 00:47:01 ID:Mgwuv8SGO

え?カギは?
と思いながら茫然とそれを眺めていたが、
危険を感じた俺は
『うわぁーっっ!』と恐怖を振り払うように叫び声をあげながら布団を跳ねのけ逃げようとベランダに走った。

その瞬間女の叫び声と男の怒号が入り乱れ、
俺は何かに弾かれ壁に激突し、物凄い力で床に押し付けられた。
身動きどころか息をするのも困難な状態。

恐怖でパニックになっている俺の耳に再び響き渡る女の叫び声と男の怒号!

『アスカちゃん!』

『ママー!』

『またお前かぁっ!』

俺は何がなんだかわからなかった。


817本当にあった怖い名無し sage 2008/04/10(木) 00:49:21 ID:Mgwuv8SGO

なんということだ!
俺が幽霊だと思っていた女の子は、まだ生きている女の子だったんだ!

俺が危険をかえりみずに憑れて帰った子供は俺を陥れる罠だったんだ!!


って事の成り行きを、弁護士に必死に説明して
これは不可抗力であるってこと訴えたが全く信じてくれなかった。

俺が被害者だってことを信じない弁護士がこの世の中にいることが洒落にならん!

お前等なら俺を信じてくれるよな!?

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